朝ドラヒロインがなぜ主題歌？「ブギウギ」趣里の起用秘話
10月2日スタートの連続テレビ小説「ブギウギ」（月～土、総合・午前8時～ほか）の完成試写会（第1週放送分）・会見が8日、NHK放送センターにて行われ、ヒロイン・花田鈴子役の趣里が出席。劇中では、弾けんばかりの元気な笑顔と歌声、ダンスを披露しているが、笠置シヅ子さんという実在の人物を演じるうえで心掛けていることや、主題歌担当秘話などが明かされた。会見には鈴子の父・梅吉役の柳葉敏郎、鈴子の子供時代を演じた澤井梨丘、脚本を担当した足立紳、音楽の服部隆之、制作統括の福岡利武も出席した。
連続テレビ小説109作目となる本作は、戦後の大スター・笠置シヅ子さんをモデルに、銭湯の看板娘から、“ブギの女王”と呼ばれる歌手になっていくヒロイン・鈴子の物語。原作はなく、登場人物名や団体名などは一部改称して、フィクションとして描かれる。
趣里は、鈴子のモデルとなった笠置シヅ子さんについて「プライベートでの大変な出来事がありながらも、舞台からもらえる笠置さんのエネルギーと明るさ」が役をつくっていくうえでの大きなポイントであることを明かすと、「日々生活しているといろいろ大変なことがあるなか、それでも明るく前向きに向かっていこうとする笠置さんは、自分にとってもすごく励みになる」と演じていて共感する部分が多いキャラクターだという。
笠置さんと言えば、歌とダンスが大きな魅力。趣里は「素晴らしい歌手である笠置さんを演じるために、まずは歌を頑張らなければと思って、日々ボイストレーニングの先生と二人三脚で、発声の仕方からレッスンしました。劇中で歌うことも多く、その都度レッスンしながら撮影しています」と述べると「いまは歌うことが楽しくなってきた」と日に日に鈴子という役柄を自分のものにしているという。
そんな趣里の成長に、音楽を担当する服部も太鼓判。「もともと考えていなかった」という、主題歌「ハッピー☆ブギ」に趣里が参加するまでになったエピソードを明かす。服部は「最初、趣里さんに歌ってもらう予定はなかったんです」と切り出すと「中納良恵（EGO-WRAPPIN'）さんと、さかいゆうさんが歌うつもりで作っていたのですが、趣里さんの劇中の歌声をとっているうちに、とても勘が良くどんどん歌手になっていく姿が実感できた。これは趣里さんに歌ってもらうのはいいのかもと思って、お願いしたんです」と裏話を披露。
趣里はその話を聞いたとき「まさか嘘でしょ」と思ったというが、レコーディングをすることになり「どうやら本当なんだ」と驚いたという。それでも「服部先生のディレクションで楽しくレコーディングが出来ました」と笑顔を見せると「皆さんに届けば」とオンエアを楽しみにしていた。
柳葉から「紅白狙っているんでしょ？」と突っ込みが入ると、趣里は慌てふためき「そういうこと言うと、書かれちゃうから。大変です」と話をそらし「まずは撮影頑張ります！」と顔を赤らめながら意気込みを語っていた。（磯部正和）