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人気爆発!ディズニープラス韓ドラ「ムービング」何が面白い?

ディズニープラス スターにて独占配信中
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 超能力者たちが親子二世代にわたって激しい戦いを繰り広げる韓国ドラマ「ムービング」(ディズニープラス スターにて独占配信中)が人気だ。莫大な制作費とオールスターキャストを投入した超大作だが、期待以上の人気を世界中で集めている模様。韓国では配信される水曜日がドラマファンの間で「ム曜日」と呼ばれるほどの盛り上がりを見せている。日本でもファンの声が熱く、「本当にみんなムービング見ないと勿体無い」「この濃すぎる展開、しばらく他の映画は見られないかも」「他の作品に手が付けられずこれしか観てない」など、SNSには“沼”にはまった人たちの声があふれている。「ムービング」の一体何が面白いのか、あらためてひも解いてみよう。(文:大山くまお)※本文には内容に触れる部分があります。

【画像】ピュアな学園ものみたい!「ムービング」子世代トリオ場面写真

親子二世代にわたる超能力と愛情の物語

 ぽっちゃりした性格の優しい高校生、キム・ボンソク(イ・ジョンハ)にはある秘密があった。それは身体が宙に浮いてしまうこと。転校生のチャン・ヒス(コ・ユンジョン)にも秘密があった。彼女は、どんな傷もすぐに回復する能力の持ち主だった。そして、クラス委員長のイ・ガンフン(キム・ドフン)も、圧倒的なパワーと超人的なスピードを隠し持っていた。そんな中、アメリカから来た男・フランク(リュ・スンボム)による超能力者たちを狙った連続襲撃事件が発生する。

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 ここから物語は一気に数十年遡る。ボンソクの母イ・ミヒョン(ハン・ヒョジュ)と姿を消した父キム・ドゥシク(チョ・インソン)が登場。飛行能力を持った国家安全企画部の工作員ドゥシクと優れた五感を持つミヒョンの出会いと別れがじっくりと描かれる。ヒスの父で、やはり回復能力を持つチャン・ジュウォン(リュ・スンリョン)と最愛の女性ファン・ジヒ(クァク・ソニョン)との出会いの物語や、ガンフンの父で怪物的なパワーを持つイ・ジェマン(キム・ソンギュン)の家族愛の物語も紡がれていく。

 そして時代は再び親たちの時代から子たちの時代へと戻る。韓国、アメリカ、北朝鮮の国家間の思惑も絡み合い、親子二世代にわたる超能力と愛情の物語はクライマックスへと突入する。

豪華なキャストとミックスジャンルの魅力

 「ムービング」は、いろいろなジャンルの魅力がミックスされたドラマだ。超能力者たちが織りなす物語なので、映画『X-MEN』やドラマ「HEROES/ヒーローズ」を思い起こす人も多いようだが、「ムービング」の魅力はさらに多岐にわたっている。

 ピュアな学園ドラマのような序盤は、とにかくボンソクとヒスの愛らしさに心奪われる。ヒスを演じるのは「還魂」パート2のヒロイン役や「Sweet Home -俺と世界の絶望-」のボウガン少女役で知られるコ・ユンジョン。ボンソク役は「わかっていても」のイ・ジョンハが抜擢された。

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 国家の陰謀と大人の悲恋ロマンスものになってからは、グッと渋く落ち着いたストーリーになる。国家安全企画部の女性職員ミヒョンを演じるのは大ヒット歴史ドラマ「トンイ」などでヒロインを務めたハン・ヒョジュ。工作員ドゥシクは映画『モガディシュ 脱出までの14日間』などのチョ・インソンが演じている。実在の組織や、大韓航空機爆破事件、江陵浸透事件(北朝鮮員の工作員と韓国に侵入した事件)などの現代史の事件をストーリーに絡めるのは、韓国映画のお家芸とも言えるだろう。

 ハートフルな家族愛のドラマという側面も持つ。ドゥシクのパートナーになるジュウォンはならず者だったが、やがて本当の愛を知り、家族を築くロマンティストだ。ジュウォンと妻のジヒ、幼い娘ヒスとのストーリーは涙なくして見られない。ジュウォンを演じるのは、映画『7番房の奇跡』や『エクストリーム・ジョブ』に主演し、歴史ゾンビドラマ「キングダム」シリーズでは権力者を演じたリュ・スンリョン。ジヒはドラマ「賢い医師生活」の主人公の妹役で人気となったクァク・ソニョンが演じている。

普遍的な男女の愛と親子の愛

 超能力者たちのアクションは、どれも息が止まりそうなほど激烈だ。爽快なアクションと痛みをともなうバイオレンスが高いレベルで融合している。とりわけジュウォンとヤクザたちがモーテルで繰り広げた1カット長回しのアクションは圧巻というしかない。超能力者たちはヒーローにもなり得るが、同時に怪物にもなり得る存在だと強調されている。

 一方、ドラマはいずれも時間をかけ、腰を据えて丁寧に描くから感情移入も倍増しになる。まるでどこかでつながっている何本もの映画を並行して観ているような感覚に陥る。巧みに張られた伏線によって、次々と明かされる真実に驚きつつ、アクションに度肝を抜かれ、人間ドラマに涙する。この繰り返しが何度も続く。

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 親たちは子どもを全力で守ろうとし、子どもたちは親を想う。男も女も、国家のため、人類のためではなく、身近な愛する人を守るために傷だらけ、血まみれになりながら全力で戦ってきた。親たちから子たちに受け継がれたのは超能力だけではない。優しさや人を愛する気持ちもたしかに受け継がれている。それは特別なものではなく、とても普遍的なものだ。

 学園ものであり、ロマンスものであり、家族ものでもあり、現代史ものであり、SFアクションものでもあって、どのジャンルの魅力も十分発揮しつつ、全体が化学反応を起こしている。それが「ムービング」という作品である。超能力を隠して生きていく子どもたちと、悲しい過去の秘密を抱えた親たちが、時代と世代を超えて一同に会するクライマックスがもうすぐやってくる。いち視聴者としては、登場する家族がみんな幸せになって終わってほしいと願うばかりである。

韓国ドラマ「ムービング」はディズニープラス スターにて独占配信中(全20話/初回7話まで一挙配信、8話以降は毎週水曜2話ずつ配信)

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