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“サスペンスの帝王”船越英一郎、2時間ドラマの危機訴える

船越英一郎
船越英一郎

 俳優の船越英一郎が14日、都内で行われた映画『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』(9月15日公開)の特別先行上映会イベントに出席。さすが“サスペンスの帝王”と呼ばれる映画への視点で観客たちを唸らせていた。

【画像】オスカー女優が謎の霊媒師に!

 本作は、アガサ・クリスティーのミステリー小説を、『オリエント急行殺人事件』『ナイル殺人事件』に続きケネス・ブラナーが監督・主演を務めて映画化。ベネチアで隠遁生活を過ごしていたポアロが、霊媒師のトリックを見破るため、子供の亡霊が出るという屋敷での降霊会に参加。しかし、招待客が人間には不可能と思われる方法で殺害され、ポアロが超常現象の解明に挑む。

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 満員の客席に登場した船越は「一足先に映画を拝見させていただきました」と笑顔を見せると「これも私がずっと崖の上で仕事をしてきたかいがあったなと思います」と、サスペンスドラマのクライマックスシーンの多くが崖の上で撮影されていることに触れ、笑いを誘った。

 その後も船越は「クリスティ流の重厚な人間模様に裏付けられたサスペンスを楽しめるのはもちろん、今回はホラーという新たな要素が加わっております」と解説。「ケネス・プラナーがアガサ・クリスティーの亡霊と手を組んで、私たちに大人のホーンテッドマンションに招待してくれました」と映画を端的に説明。「私は物語の序盤で犯人の目星がつきました」と述べると、ネタバレなしに物語の見どころを流ちょうに語り、映画関係者からも拍手が起こった。

 そんな船越は、サスペンスとミステリーの違いについて問われると「諸説ありますが、ミステリーは犯人探しを楽しむもの。サスペンスは犯人がもう分かってしまっていても、犯人を追い詰めていく過程にドキドキハラハラと興奮させるもの」と述べると『名探偵ポアロ』シリーズはミステリー、「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」シリーズはサスペンスだと例を挙げながら説明した。

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 また司会者から「数々の難事件を解決している船越さんの私生活で起こった最近の難事件は?」と問われると「私は2時間ドラマを自分の生業として生きて参りましたが、今どんどん枠が減ってしまっているんです」と嘆くと「日本の2時間ドラマは世界に誇れる文化だと思うのですが、どんどん青息吐息になってしまっています。何とか食い止めたいのですが、あまりにも難しすぎて解決の糸口が見つかりません」と船越をしても難題だと顔をしかめる。

 それでも船越は「どうぞ皆さんのお声で『また新作が観たいよ』と力添えいただければ」と訴えると、会場からは大きな拍手。船越も「今の拍手を聞いて、ここに来たかいがありました」と笑顔を見せていた。(磯部正和)

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