『ミュータント・タートルズ』落書きから生まれた不完全で完璧なアニメーション!制作の裏側明かす特別映像公開
突然変異で誕生したカメ忍者たちの活躍を描く新作映画『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』(9月22日全国公開)から、“ノートの端の落書き”をイメージしたという、斬新なアニメーション制作の裏側に迫る特別映像が公開された。
『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』特別映像
2023年のニューヨークを舞台に、手書きの質感を生かしたアニメーションと、グラフィティアートから飛び出してきたようなビジュアルで、新世代カメたちの冒険を描く本作。特別映像では、スタイリッシュで心躍るアニメーションスタイルがいかにして誕生したのか、プロデューサーのセス・ローゲンや監督のジェフ・ロウをはじめとする製作陣の口から明かされる。
長年にわたり愛されてきたキャラクターたちの新たな物語を描くうえで、ロウ監督がひらめいたアイデアは「ティーンエイジャーを題材にした映画を、ティーンエイジャーが作ったように見せたらどうだろう?」というもの。劇中で暴れ回るティーンたちのように、雑然と、楽しく、予想不可能な映画を作りたいと考えた。
そこで目指したのは、「見た目も中身もティーンらしい、ティーンの絵」(プロデューサー、エヴァン・ゴールドバーグ)。プロダクションデザイナーのヤシャール・カサイによると、ビジュアルの決め手になったのが「10代の頃授業に退屈してノートの端に描いた落書き」のイメージだったという。
この時代に逆行するかのようなアプローチについて、ロウ監督は、自分が不可能に近いことを求めていることを理解していたが、「ゆがんだ線にめちゃくちゃな遠近法線、線を繋げていびつな形にする。そうすれば完璧だ!」と語り、その精神を“ティーンエネルギー”と呼んだ。実際にクリエイター達は、一見間違いのように見える線を残したり、線からはみ出して色を塗ったりと、さまざまな部分に“不完全さ”を施すため、CGアニメーションの制作では滅多にない仕事である手描きも駆使したという。
特別映像では、いたずら書きの信号機を四方から眺めることができるコンセプトアートもお披露目され、その映像からもロウ監督と製作スタッフのクリエイティブにかける強いこだわりを感じることができる。
勇敢でマジメなリーダーのレオナルド、特攻隊長のラファエロ、お調子者のミケランジェロ、頭脳派のドナテロ、育ての親であるスプリンター、大切な友人エイプリル・オニール。そのほか個性豊かなキャラクターが、斬新なアニメーションで自由に動き回る本作は、大手映画レビューサイト「Rotten Tomatoes」で批評家スコア96%(9月14日時点)と高評価を獲得。一般の観客からのアンケート評価である「Cinemascore」でも「A」を獲得している。(編集部・入倉功一)