トロント観客賞は『アメリカン・フィクション』!宮崎駿監督『君たちはどう生きるか』は3位
第48回トロント国際映画祭
第48回トロント国際映画祭授賞式が現地時間17日に行われ、最高賞にあたる観客賞をコード・ジェファーソン監督の映画『アメリカン・フィクション(原題) / American Fiction』が受賞した。
【画像】『007』シリーズではフィリックス役を務めたジェフリー・ライトが主演
2018年以降、トロント映画祭で観客賞を受賞した作品は『ラ・ラ・ランド』『スリー・ビルボード』『ジョジョ・ラビット』『フェイブルマンズ』をはじめ全てアカデミー賞作品賞にノミネートされているほか、『それでも夜は明ける』『グリーンブック』『ノマドランド』では受賞。『アメリカン・フィクション(原題)』も今年のオスカー戦線の有力作として名乗りを上げた形だ。
パーシヴァル・エヴェレットの小説「イレイジャー(原題) / Erasure」を基にした同作は、“黒人らしさ”が足りないと評された黒人小説家(ジェフリー・ライト)が、やけくそで書いた“典型的な黒人小説”が爆売れしてしまうさまをつづった風刺劇。ドラマ「メディア王 ~華麗なる一族~」「ウォッチメン」などに脚本家として携わってきたジェファーソンの監督デビュー作だ。
観客賞2位は『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』などのアレクサンダー・ペイン監督の新作『ザ・ホールドオーバーズ(原題) / The Holdovers』。家族の事情でクリスマス休暇も寄宿学校に残らなくてはならなくなった生意気な生徒と、厳しい教授が築く絆を描き、主演のポール・ジアマッティの名演も高く評価されている。
そして観客賞3位には、邦画及びアニメーション映画として初めてトロント映画祭オープニング作品に選出された『君たちはどう生きるか』が選ばれた。宮崎駿監督が引退を撤回して完成させた映画は、トロントの観客にしっかり届いたようだ。(編集部・市川遥)