ピエール瀧、主演最新作『水平線』公開決定『凶悪』舎弟役・小林且弥が監督
ピエール瀧が主演を務める新作映画『水平線』の劇場公開が決定した。白石和彌監督作『凶悪』(2013)でピエール演じるヤクザの舎弟役を務めた俳優・小林且弥の初監督作品となる。
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本作は、福島県のとある港町を舞台に、大切な人ときちんとした別れができないまま立ち止まってしまった、ある親子を追う物語。ピエールは、震災で妻を失い心に傷を抱えたまま、高齢者や生活困窮者を相手に散骨業を営む主人公・井口真吾を演じる。真吾の一人娘・奈生役を『青葉家のテーブル』(2021)への出演や広告・CM等でも活躍する栗林藍希が務めるほか、足立智充、内田慈、押田岳、円井わん、渡辺哲らが脇を固める。
俳優として活動する小林監督は、『凶悪』の共演を経てピエールと意気投合し、その縁が本作へと発展した。主演オファーに「『これは断ったらいけないやつだ』と、即答で引き受けさせてもらったら、福島の散骨業者とその家族をめぐる、魅力的で素晴らしい脚本が送られてきました」というピエールは、「それから数週間。暖かい雰囲気に包まれながらあっという間に撮り終えた本編は、観る人の心を揺さぶる素晴らしい作品に仕上がりました。小林監督の作品に携われた喜びと充実感と共に、協力してくださった相馬の皆さんへの感謝の気持ちでいっぱいです」と自信をのぞかせる。
また、小林監督は「ある男の決別と再生の物語です。きっかけは福島で知り合った方々の声でした。すれ違い続ける個人の声と正しさを振りかざした外からの声。事実の共有が困難な時代だからこそ、彼らの想いや信念、前を向く姿を可視化できないだろうか。そんな衝動のみが出発点となったこの作品は、僕が最も信頼する俳優、ピエール瀧さんが引き受けてくれたことで一気に動き始めました」と感謝。「寛容さと寂しさを感じさせるその広い背中は主人公の心情と見事に重なり、初監督作品の手応えを感じさせてくれるものでした。共に作品を作ってくださったキャスト・スタッフ、そして撮影に協力してくださった相馬の方々に感謝いたします」とコメントを寄せている。
本作は、福島県福島市のフォーラム福島で12月8日に先行公開されることが決定しており、2024年3月1日から、メイン劇場のテアトル新宿ほか全国順次公開となる。(編集部・入倉功一)