「相棒22」シン・美和子スペシャル、初回から絶好調 安定の破壊力でトレンド入り
人気刑事ドラマ「相棒season22」（テレビ朝日系・毎週水曜よる9時～）の第1話「無敵の人～特命係VS公安…失踪に潜む罠」が18日に放送された。水谷豊演じる特命係の杉下右京と、寺脇康文ふんする相棒・亀山薫のコンビは健在。弁護士・上原阿佐子（栗山千明）の婚約者を探してほしいという依頼から物語がはじまり、宗教団体、公安部、内閣情報調査室も絡み二転三転し、衝撃のラストで幕を閉じた。SNSでは「やっぱり面白い」「次回が楽しみ」と安定の人気を実感する声が多く寄せられている。（以下、第一話のネタバレを含みます）
幕開けは、もはや「相棒」の定番ネタである薫の妻・美和子（鈴木砂羽）が作るけったいな料理「シン・美和子スペシャル」。小手鞠（森口瑤子）が「わたし、怖いです」と怯え、薫も罰ゲームという認識ですまなそうに右京らを招いた食事会で提供されたのは、一見美味しそうなロッシーニ風の肉料理だった。しかし、食べた全員が微妙な顔をして水をほしがったり、「はじめての味」「個性的な味」と評するなど、相変わらず破壊力抜群。SNSでもすぐさま「美和子スペシャル」がトレンド入りを果たした。ちなみに美和子は、初期のころはふつうに可愛いお弁当なども作っていたのだが、エジプト赴任がきっかけになったのか、season5ごろから珍妙な腕前を披露するようになっている。
その食事会に同席していたのが、美和子と料理教室で知り合ったという阿佐子。彼女は行方不明になっている婚約者・牧村克実（市川知宏）を探しており、右京にその捜索を依頼してきた。だが、フリーの記者だったという牧村のことを、仕事仲間たちは「知らない」と一様に突っぱねる。右京たちは、牧村が出入りしていたレストランをようやく突き止めるが、そこは1年前「微笑みの楽園」という宗教団体が起こした爆弾テロで被害を受けた店だった。
一方、伊丹憲一（川原和久）たち捜査一課は、平井という男の転落死の事件を捜査していた。平井も「微笑みの楽園」の信者で、しかも爆弾テロの犯人の兄であり、部屋からは爆弾製造のための薬品も見つかったが、事件は公安に横取りされてしまった。
右京は「微笑みの楽園」の信者勧誘の手に乗ったふりをして教団に調査に赴くのだが、このときの手段が「右京さんの本音だ！」「さすがの愚痴」「正攻法？」などと話題に。教団直営の喫茶店で「仕事で左遷されて人材の墓場に」「一人部下がいるんですが、これが気の利かない男で」などと、決して嘘ではない本当とも言い難い悩みがあるふりをしたのだ。薫に詳細を聞かれても語らず煙にまくところが、なんとも右京らしいとSNS上に反響が寄せられていた。
社会と隔絶した独自のコミュニティーを作る「微笑みの楽園」に、牧村はよく出入りをしていたという。だが、教団の書類から見つけた彼は“吉川崇”名義。潜入取材だったのだろうか。右京は阿佐子が牧村を過去形で語ることなどから、彼女が潜入取材のことを知っていて、はなから特命係を巻きこむつもりだったことを見破った。
牧村が追っていた平井の家で、右京らは現・内閣情報調査室の青木年男（浅利陽介）と遭遇する。薫と青木は初対面。右京が「紹介しましょう。後ろにいるのは特命係の亀山薫くん。こちら、元特命係の青木年男くん」と言うと、特命係としての先輩風を吹かせる青木だったが、実は薫のほうが先輩。「亀山くんは元特命係で、いまも特命係なんですよ」と右京が補足すると、「特命に出戻り？ よっぽど暇なんですね」と青木が嫌味を言う。軽妙な会話に、視聴者は「青木待ってました！」「相変わらずいじられてる」と沸いていた。
青木の情報から、平井の転落死に牧村が関与している可能性を知った右京だったが、牧村の行動に疑問を持つ。薬物銃器対策課の角田課長（山西惇）が牧村の別名を知っていたこともあり、右京は彼が記者ではなく、公安部の捜査員だったのではないかと予測した。
ラストでは、内調の動きを察知した教団の信者が、内閣情報官の社美彌子（仲間由紀恵）を銃撃。公安を裏から動かす警視庁副総監・衣笠藤治（杉本哲太）の動きもあやしい。カルト教団に強制捜査に入った公安の真意とは。
第1話ではそのほか、右京たちが教団から逃げる途中で立ち寄った山奥の怪しい家の佇まいに、仲間がかつて出演していた人気ドラマ「トリック」を連想したという意見も見受けられた。新オープニング映像のカッコよさや派手なアクションシーンなど、正統派な見どころのほか、ネクタイとサスペンダーをして、ワイシャツを着たまま薫と雑魚寝をしている右京といった貴重な画もあり、話題には事欠かない新シーズン初回だった。阿佐子に右京を紹介したという「弁護した被告人」が誰だったのか、第2話で判明するのだろうか。（文・早川あゆみ）