稲垣吾郎、イメージ覆す新垣結衣に驚き「大きな覚悟が必要な役」
第36回東京国際映画祭
俳優の稲垣吾郎と新垣結衣が25日、第36回東京国際映画祭で行われた映画『正欲』(11月10日全国公開)のワールドプレミアに出席し、初共演となった本作の舞台裏を振り返った。
映画化もされた『桐島、部活やめるってよ』『何者』などで知られる朝井リョウの柴田錬三郎賞受賞作に基づく本作は、家庭環境、性的指向、容姿など異なる背景を持つ人々を通し、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマをあぶりだしていくストーリー。TOHOシネマズ日比谷で行われた舞台挨拶には稲垣、新垣のほか、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香、岸善幸監督も登壇した。
稲垣にとって、昨年の『窓辺にて』(今泉力哉監督)に続き2年連続で出演作が本映画祭のメインであるコンペティション部門に出品されるかたちとなり、「嬉しかったです、またこの場所に帰ってこられた。光栄に思っています。この映画祭は映画を愛する人にとって特別な場所。世界の人に見てもらえる機会をもらえて嬉しいです」と笑顔でコメント。
稲垣が演じるのは、不登校になった息子が世間から隔絶されることを心配する検察官・寺井啓喜(てらい・ひろき)。新垣と初共演だったことも感慨深げで「普段からいろんなドラマや映画で拝見している素晴らしい俳優さんたちと共演できる機会をもらえて嬉しかったです。現場では普段見る新垣さんや磯村君と違い、登場人物になりきっていて、二人にその世界に誘われているような不思議な感じで、気持ちよく現場にいることができました」と撮影を振り返った。
新垣について、稲垣は「思い描いていた新垣さんのイメージを覆された」とも言い、「最初に現場で会った時はびっくりしました。とにかく大きな覚悟を必要とする役。それが報われるような形で素晴らしく仕上げてもらえて監督にも感謝しています」と話し、新垣は嬉しそうな表情。
新垣は稲垣との共演を振り返り「ご一緒できたシーンが濃密でシリアスで重要なシーンで、濃い時間を一緒に過ごせて、共に力を尽くすことができたのがとても光栄でした」と充実感をにじませた。本作への出演を決めた理由について「企画書などを読ませていただいた時に何か心を惹かれるものがあった」と回顧し、「監督とも直接お話しして、同じ方向を向いて、意思疎通ができることを感じて出演を決めました。素晴らしい作品に出られて本当に嬉しく思います」と熱を込めていた。(取材・文:名鹿祥史)
「第36回東京国際映画祭」は11月1日まで日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催中