実写『ゴールデンカムイ』9割以上が雪中撮影 過酷な北海道ロケ「普通の4倍時間がかかる」
山崎賢人(※崎は「たつさき」が正式)が主演を務める実写映画『ゴールデンカムイ』(2024年1月19日全国公開)の完成報告会が20日に都内で行われ、メガホンを取った久保茂昭監督が雪中での撮影のこだわりや苦労を語った。この日は、山田杏奈、矢本悠馬、工藤阿須加、柳俊太郎、大谷亮平、玉木宏、松橋真三プロデューサーも来場した。
『ゴールデンカムイ』は、「週刊ヤングジャンプ」で連載された野田サトルの人気漫画を実写化したサバイバルアクション。明治時代後期の北海道を舞台に、日露戦争に従軍した元軍人とアイヌの少女、脱獄囚など、さまざまな思惑を持つ人々が、アイヌから奪われた金塊を巡り争奪戦を繰り広げる。
会見では、元陸軍兵・杉元佐一役の山崎が雪を浴びながら馬ぞりに引きずられたり、“脱獄王”の異名を持つ天才脱獄犯・白石由竹役の矢本が、山崎とともに雪山にある川に入り、寒さを通り越して痛い思いをしたことなど、壮絶なエピソードが明かされた。
久保監督はキャスト・スタッフの苦労をねぎらいつつ、「北海道の雪の中で撮りたいと強く言わせていただきました。この映画の9割以上は本当の雪のシーンですが、こういったエンターテイメント映画ではないと思います。大自然の中で躍動するキャラクターを撮りたいと思っていました」と熱い思いを打ち明ける。また、「雪の撮影自体が普通の撮影の4倍くらい時間がかかるイメージで、体感的には普通の撮影より15倍くらい大変。それくらい過酷な中で準備をしてやらせていただきました」と振り返った。
会場には劇中の衣装や小道具が展示され、久保監督は「アシリパの衣装はアイヌの方々に1年以上かけて手縫いで作ってもらいました。主要人物の銃に関しても一つ一つこだわって作りました」と説明した。
松橋プロデューサーは「いろんな国の作品が観れる中、日本のエンターテイメントがどうなるか問われていると思います。そんな中、ドーンとすごい作品を出して、日本のエンターテイメント作品はすごいんだということを世の中に出したいという気持ちで企画を立ち上げました」と制作経緯を語る。そんな熱い思いを込め、原作の「実写化不可能」を覆した本作について、「世界に出して恥ずかしくない、むしろ日本のエンターテイメントはすごいんだというものに仕上がっています」と胸を張ると、「こういった作品がどんどん日本から出て、世界中のエンターテイメントを日本の作品で埋め尽くしていけたらいいなと思っています」と未来のエンタメ界に期待を寄せた。(錦怜那)