8歳・塚尾桜雅が史上最年少受賞 将来は「ハリウッド俳優に」
映画雑誌「キネマ旬報」が主催する映画賞「第97回キネマ旬報ベスト・テン」表彰式が18日、Bunkamuraオーチャードホールにて開催され、映画『ほかげ』に出演した8歳の子役・塚尾桜雅が史上最年少で新人男優賞を受賞。将来「ハリウッド俳優になりたい」という夢を語った。
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映画『ほかげ』は、『野火』や『斬、』などを手掛けた塚本晋也監督が戦争をテーマに描いたヒューマンドラマ。家族を戦争で亡くし、戦争の絶望から抜け出せない一人暮らしの女(趣里)が、家族を空襲で失った子供(塚尾)と出会ったことで、変化していく姿を描く。
現在8歳で小学2年生の塚尾。表彰式では「ちょっと緊張しています」と言いつつも「キネマ旬報の新人男優賞ありがとうございます。『ほかげ』は一昨年の夏の撮影で、本当に暑くて大変でしたが、塚本監督や、趣里さん、森山(未來)さん、河野(宏紀)さん、大森(立嗣)さん、利重(剛)さん、スタッフの皆さんにたくさん励ましてもらい、いろいろなことを学びながら最後までやり切ることができました」「今回の受賞を励みにして、これからもお芝居を続けていきたいと思います」としっかりとしたあいさつを披露した。
塚本監督は「オーディションのときからすごくしっかりしていて責任感があった。僕が小学校1年生のときなんてぼーっとしていた。これはぜひお願いしたいと思った」と振り返り、「難しいテーマの映画で、どれぐらい理解しているのか……ということはあるのですが、相手の俳優さんの空気感を切実に察知し反応する。趣里さんや森山さんとのセッションがすごかった」と塚尾の立ち振る舞いを絶賛した。
俳優の面白さを聞かれた塚尾は「テレビや映画に出られることはもちろんなのですが、一番うれしくて楽しいのは、皆さんが優しいこと。とっても楽しくて芸能生活っていいなと思いました」とはにかむと「この映画でベネチア(国際映画祭)に行ったのですが、そのとき語学ができるっていいなと思いました。将来はハリウッド俳優になりたいです」と夢を語り、客席からは大きな拍手が巻き起こった。
「キネマ旬報」は、1919年(大正8年)に創刊され、ベスト・テンの選出は1924年度(大正13年)に始まった。ベスト・テン及び各賞の選考者は、映画を多く見ている者に厳しく限定され、2023年度は映画評論家、ジャーナリストなどのべ120名以上で行われた。(磯部正和)