「光る君へ」柄本佑、直秀の衝撃展開振り返る
吉高由里子主演の大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合・日曜午後8時~ほか)で平安の貴族社会で最高権力者となる藤原道長を演じる柄本佑が3日放送・第9回の収録を終えた心境を、公式サイト内のキャストインタビュー動画「君かたり」内で語っている。
主演の吉高、脚本の大石静とは2020年放送のドラマ「知らなくていいコト」以来のタッグとなる柄本。演じる道長は、まひろと幼いころに出会い、数奇なめぐりあわせを経てソウルメイトのような関係を育んでいく設定。第9回「遠くの国」は、直秀(毎熊克哉)ら散楽の一員の正体が盗賊であったことが判明してからの展開。実は、彼らは貴族から金品を盗んでは貧しき人々に分け与える義賊だった。道長は東三条殿に盗みに入った直秀らを検非違使に引き渡すも、看督長に心づけを渡して罪を軽くするよう交渉。しかしその結果、思いもよらぬ悲劇が起きる。
まひろを介して交流するようになり、打毬(だきゅう)の試合に道長の“弟”として参加したこともあった直秀。住む世界が違いながらも親睦を深めていった直秀について、柄本はこう語る。
「セリフの中でも言ってますけど、直秀の貴族が嫌いであるっていうふうな芯の部分がきっちり守られている。それはなんかほかの自分の周りにいるような人間とは全く違うというか、みんな「偉くなりたい」であったりとかそういったところとは全然違う、そのためだったら何でもやるみたいな、そういった「どんな方法でも偉くなるためには」みたいな、そういった考えがない。ある種ピュアさに惹かれるというかそんなふうな気がします。もちろん自分は貴族側でそれで直秀はああいう立場ですけど、なんか同じにおいを感じるというのかな。あとやっぱり直秀のある自由さみたいなものに対する憧れみたいなのも意外に僕は道長の中にはちょっとあるんじゃないかなというふうに思っていますね」
第9回では、流罪にされるはずだった直秀らが皆殺しにされ、彼らの惨たらしい姿を目にした道長とまひろは言葉を失う。良かれと思って行ったことが、裏目に出てしまった道長。柄本は、直秀の死が道長に大きな影響を与えると語る。
「これはまたちょっと難しいところでもあって、もちろん直秀に対して「すまない」というふうな気持ちであったりとか、そういったのはもちろんありますし、二度とこういうことは起こしてはいけないというこれからに対するなにか……今後道長さんがそこに固執していくというか、今回自分のせいで死んでしまった人たちがこれだけの人数がいるということと、もう一つはやっぱり自分のお兄ちゃんがまひろの母親を殺している。自分の家族が愛する人のお母さんを殺していたっていうことが今後の道長に非常に大きく影響していくんじゃないかなというふうなことは思いますかね」
これまで家の繁栄のために手段を選ばない父・兼家(段田安則)に迷わず尽くしてきた兄・道隆(井浦新)、道兼(玉置玲央)と異なり、のんびりとした三男坊のイメージだった道長だが、直秀の死は彼の人生が大きく変わるきっかけとなるようだ。(石川友里恵)