失言のデパート?ミーガン・フォックスから目が離せない!
ミーガン・フォックスと言えば、『トランスフォーマー』(2007年)のヒロインである。オタクに優しいギャルin USAな役を完璧に演じ、マイケル・ベイ監督の映画には珍しく、記憶に残るヒロインとなった。ベイの映画で目立ったというのは、けっこうな快挙である。と言うのも、ベイ監督は、車や銃撃戦、爆破を撮らせると間違いなく超一級品だが、キャラクターについては俳優にお任せなのだ。あの『アルマゲドン』(1998年)のオーディオコメンタリーでも、主人公格のベン・アフレックについて「思ったよりイイ演技をしてさぁ。最初は『いなくてもイイかなぁ』と思ったんだけど(要約)」と、ムチャクチャな裏話をしていた。
ある意味、ベイの現場で役者の力が問われるのだが……ミーガンは圧倒的なルックスとUSA全開なギャル感で、見事に続編にも出演した。続く『トランスフォーマー/リベンジ』(2009年)はメチャクチャな映画だったが、それはさておきミーガンの魅力は健在。車に詳しいという設定を最大限に有効活用して、ホットパンツでヘソ出しタンクトップという、仕事猫も決して「ヨシッ」と言わない安全ガン無視の姿でバイクに乗って作業する姿で登場。世界中の人々を「こんなバイク屋いねぇだろ!」と思わせつつも、その姿をしっかりと観客の脳ミソに焼き付けた。 このままミーガンはハリウッドの新たなセックスシンボルとして活躍するかと思いきや……彼女には悪癖があった。簡単に言うと、失言を繰り返すタイプなのだ。『トランスフォーマー/リベンジ』の宣伝でベイ監督の無茶振り&強引な監督スタイルを評して、「ヒトラーみたいな感じ、っていうかヒトラーですね」と擁護不能な不謹慎かつ軽薄な失言をして、激しく問題視された。
この騒動が原因だとは明確になっていないが、『トランスフォーマー』第3弾にミーガンの姿はなかった。そんな行いが災いしてか、ベイ監督がプロデューサーを務めた『ミュータント・タートルズ』シリーズ(2014年~)や、近年ではカルト作となりつつある『ジェニファーズ・ボディ』(2009年)などにも出演していたが、次第にその姿を銀幕で見かけなくなってゆく。気が付けば「あの人は今?」状態になっていたが……昨年『エクスペンダブルズ ニューブラッド』(2023年)で最強傭兵軍団のリーダーをスタローンから引き継ぐ大役に抜擢。銃を撃ちまくって頑張っていたが、映画自体は激しくコケた。
そんなミーガンが彼氏でミュージシャンのマシン・ガン・ケリー(芸名から想像される通り、この男もチャラくて有名である。芸人のマシンガンズの2人の実直さを見習ってほしい)と一緒に、スーパーボールのアフターパーティーに参加した。そしてテイラー・スウィフトとテイラーの彼氏のアメフト選手トラヴィス・ケルシーと記念写真を撮ったのだが……その写真のミーガンは唇が不自然に膨れ、頬もまた不自然に凹んでいた。ネットはザワつき、「整形しすぎでは?」とのコメントに溢れたが、これに対してミーガンはインスタで反論。その行為自体はいいのだが、中身が問題であった。「オーマイガー! 撮影した環境が悪くて、ウクライナのラブドールみたいになっている! リアルな私は、日本の超高価なラブドールみたいなのに!」……何故に日本のラブドールを例えに出したのか? 何故にウクライナのラブドールと比べたのか? というか、そもそも何故に美の基準がラブドール縛りなのか? 恐らく思いついたことをそのまま語る、いつもの癖が出たのだろう。失言の癖は変わらずだが、同時に「ミーガン、相変わらずやっとるなぁ」という温かい気持ちにもなる。ミーガンはもう37歳だが、若い頃のまま、落ち着く気配が全くしない。そんな彼女の動向を、これからも注視していきたい。(加藤よしき)