染谷将太「夫婦を制覇」 山崎貴監督、佐藤嗣麻子監督の作品出演で
俳優の染谷将太が10日、東京都千代田区にある日本外国特派員協会で行われた映画『陰陽師0』(4月19日公開)の記者会見に佐藤嗣麻子監督と出席した。
呪いやたたりから都を守る陰陽師・安倍晴明の活躍を描いた夢枕獏の小説「陰陽師」シリーズを原作にした本作は、若き日の安倍晴明が、貴族から怪現象の解決を依頼されたことをきっかけに、平安京を脅かす巨大な陰謀と呪いに挑むさまを描く。呪術の天才・安倍晴明を山崎賢人(崎=たつさき)が演じ、染谷は晴明に徽子女王(奈緒)を襲う怪奇現象の調査を頼む貴族の源博雅を演じる。
染谷は、「セリフはわりかし現代の言葉なんです。でも世界観は平安時代。今、現代の人たちが観ても違和感がないよう説得力を持たせるのがすごく難しかったです」と振り返る。また、好きなシーンとして、晴明と博雅が初めて出会うシーンを挙げ、「何回も何日もかけてリハーサルをして、時に役を入れ替えて演じたりして、様々な試行錯誤をして監督と話し合って作ったシーンです。そこから二人の友情が始まる大事なシーンだったので、自分はとても印象に残っています」と紹介した。
染谷は本作について「今、自分の目では見えない情報だったり、自分の耳で聞けない、匂いも嗅げない情報があふれた時代で、ある種、世界中の皆さんが呪(しゅ)にかかった状態」と昨今の世界情勢に触れつつ、「この映画の中で好きなセリフがあって、『主観と客観、そういうのはどうでもよくて今二人で酒を飲んでいる。それが全てなんだ』というセリフがあるんです。そこに自分はものすごく幸せを感じました。実際に身の回りで起きることを心から見ることができる。そんなことをこの作品で伝えられたら嬉しいなと思います」と語った。
また、会場では佐藤監督の夫である山崎貴監督の作品に染谷が4作品も出演していることが話題に挙がったが、染谷は「ずっと嗣麻子さんとも作品を一緒にやれたら嬉しいと思っていたんです。夫婦を制覇した感じです。山崎さんからも面白かったとメッセージをもらったのですごく良かったです」と笑顔でコメント。佐藤監督もこの発言を受け、「実は私も染谷さんの奥さんを制覇しようと思っています」とユーモアたっぷりに切り返して笑わせた。
佐藤監督は山崎監督と同業者であるがゆえの夫婦間ルールがあることを明かし、「家庭内で仲良く暮らすために仕事の話は普段一切しないんです。基本お互いの作品も観ない、観たとしても感想は言わないという約束があります」と紹介する。「ただ今回は観たいということだったので、試写で観てもらいました。帰り道黙って歩いていたんですけど、何か言いたそうにしていたので、『嫌なこと言わないでね』って言って聞いたら、『面白い。すごく良かった、ずるい』と言われました」と山崎監督からかけられた言葉も明かした。(取材・文:名鹿祥史)