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「岸辺露伴は動かない」密漁海岸クライマックスで流れる謡は?

「岸辺露伴は動かない」密漁海岸よりトニオ・トラサルディ(Alfredo Chiarenza)、岸辺露伴(高橋一生)、泉京香(飯豊まりえ)
「岸辺露伴は動かない」密漁海岸よりトニオ・トラサルディ(Alfredo Chiarenza)、岸辺露伴(高橋一生)、泉京香(飯豊まりえ) - (C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS / SHUEISHA (C)NHK / NEP /P.I.C.S.

 高橋一生主演のNHKドラマ「岸辺露伴は動かない」の新作エピソード「密漁海岸」が10日に放送され、とりわけキーパーソンとなる料理人トニオ・トラサルディを巡る原作からのアレンジに絶賛の声が上がった(※一部ネタバレあり)。

【画像】「密漁海岸」場面写真

 荒木飛呂彦の「ジョジョの奇妙な冒険」のスピンオフ漫画「岸辺露伴は動かない」の一編を実写化する本作。2020年に始まったドラマシリーズの第4弾で、9作目のエピソードとなる。これまで、相手を本にして記憶を読む能力を持つ風変わりな漫画家の露伴(高橋)が担当編集の泉京香(飯豊まりえ)と共に奇怪な事件の数々に足を踏み入れていくさまが描かれてきたが、本作で露伴が対峙したのは、幻のアワビ。「ジョジョの奇妙な冒険」の第4部「ダイヤモンドは砕けない」にも登場した、客の体の悪いところを改善させる不思議な力を持った料理を提供するシェフのトニオ・トラサルディに、どんな病でも治してしまうという伝説のヒョウガラクロアワビの密漁を持ちかけられる。

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 前半ではトニオのレストラン、後半では海岸が舞台。レストランのシーンでは「岸辺露伴は動かない」のほか「ジョジョの奇妙な冒険」のエピソードも取り入れられているが、監督の渡辺一貴はその理由を4月22日に行われた会見で語っていた。

 「(エピソードに)初めて触れる方も含めて、トニオの能力がどういうものかっていうことをしっかりと紹介しないと「密漁海岸」につないでいけないとは思っていて。なので「密漁海岸」単独というよりは、4部のエピソードをお借りして、そこでイタリア料理のくだりをしっかり描いてからつなげた方が「密漁海岸」がより際立つのではという風には思っていました。尺の問題とかはなかったんですけど、そういうイメージでした」

 原作ではトニオが「パール・ジャム」というスタンド(能力)の使い手という設定だが、ドラマでは薬と毒、医食同源のスペシャリストへとアレンジ。これに対し「スタンド能力のアレンジうまい」「解釈良いな」「設定の落とし込み方すごい」と驚きや興奮のリアクションが続々寄せられていた。

 高橋は同会見で「今回の主役はトニオ」だと言い、トニオを演じた俳優、モデルの Alfredo Chiarenza について「アルフレッドはすごく実直で真面目で役に取り組んでくださっていて、現場で初めてお会いした時には会った瞬間トニオだと思いました」と絶賛。「説得力のある形で現場に行き、日本語も完璧にこなしてくださっていましたし、お芝居も目線の交わし合いなどでしっかりとちゃんと受けてくださって、 とても安心しながらお芝居ができたんじゃないかなと思っています。海のシーンでは、本当に溺れるんじゃないかっていうギリギリまで、突っ伏した状態で浮いていましたけど、何度も撮影をしなくちゃいけない中で真面目に取り組んでくださって、とても作品のグレードを上げてくださっている。トニオのキャラクターにはアルフレッドの人柄も、きっとにじんでいるんじゃないかなと思います」と話していた。

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 原作エピソードには登場しない泉は、寝不足のうえに虫歯で弱っている設定で登場。レストランで不思議な水を飲んで大量の涙を流すシーンは特殊メイクで表現されたという。飯豊は「最初は本当に泣かなきゃいけないのかなって覚悟していたんですけど、さすがにそんな量は……(笑)。特殊メイクでああいう風に水を受けていたんですけど、溺れてしまうかと思うぐらいで(笑)」と振り返っていた。

 クライマックスで流れる謡は、能の演目「阿漕(あこぎ)」をアレンジしたもの。渡辺監督は「歌詞自体も(漁師)が(禁漁区)で漁をしてひどいめにあってしまうというもので、音楽の菊地成孔さんがアレンジして作って下さいました。露伴が墓場に着いた時に流れるのは法華経です」と会見で説明していた。

 ちなみに、冒頭は中村まこと増田朋弥演じる“おなじみの2人”と露伴のやりとりからスタート。ドラマの1期「富豪村」では泥棒、2期「ザ・ラン」では不動産屋、3期「ホットサマー・マーサ」では広告マンだったが、今回は密漁者の設定。モクズガニをスケッチするため前夜から身を潜めていたという露伴の邪魔をして怒りをかう展開となり、「ホントこの導入好き」「安定の2人」「この2人も懲りないよなw」と相変わらずの人気を博していた。(編集部・石井百合子)

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