石原さとみ、迷子発見の知らせに安堵の涙…娘が失踪する母親役「心に生き続けている」
石原さとみが18日、都内で行われた映画『ミッシング』公開記念舞台あいさつに出席、イベントの終盤、石原が披露したプライベートエピソードに、共に登壇した青木崇高が涙を見せる一幕があった。この日は石原のほか、共演者の中村倫也、吉田恵輔監督(「吉」はつちよしが正式表記)も登壇した。
石原が出産後、1年9か月ぶりの芝居に臨んだ本作は、失踪した幼い娘を捜す母・沙織里(石原)が、焦りや怒りを抱えるなか、夫婦間の溝、インターネット上での誹謗中傷などにより心をむしばまれていく様を描いた人間ドラマ。
石原は「(壇上に)出る前まで実感がわかないと話していたんですけど、この日を迎えて本当に嬉しいです」と感慨深げな表情。撮影から1年ほどがすぎても、本作のヒロイン・沙織里が自分の心に生き続けているといい、それを実感した自身の体験談を語った。
「つい先週の話なんですけど、家族と大きな公園に行ったんです。そこでピクニックをしていたんですけど、迷子のお知らせが耳に入りまして、青いTシャツの男の子を探しているって放送が入ったんです」という石原は「それが耳に入った途端、気になってしまって……。周囲を見て回って、私も探していたら、公園ですごく大きな声で叫んでいるベビーカーを押したお母さんがいて、『あ、この人がお母さんだ』ってわかりました。その時のお母さんの鬼気迫る表情と声にすごく胸が締め付けられました」と明かす。
その後、40分近く子供を探すのを手伝ったという石原は、「閉園時間も迫ってきて焦ってきて、どうしようって怖くなって……。(係りの人に)もう一度、特徴を教えてくださいと聞いたら、たった今見つかりましたって。本当に泣けてきて、安堵(あんど)の涙が出ました」と告白。「『あのお母さんよかった』って本当に思えたんです」と振り返り「この映画で自分の財産となる、知らなかった感情を知ることができたと思います。1年以上経っても私の中には沙織里という女性の気持ちが染み付き続けているんだって知りました」としみじみ語った。
そのうえで「少しでも彼女の苦しさ、つらさが本作を通じて伝わればいいなって思います」と呼びかけ、「この映画を観て、誰かに温かい言葉をかけてくださるような、出来事、行動が一人でも増えて行ってくれたらいいなと思いました」と語る石原。その言葉に、隣の青木は涙を流して耳を傾けていた。(取材・文:名鹿祥史)
映画『ミッシング』は全国公開中