「仮面ライダーW」の魅力は徹底した世界観 映画『ガッチャード』田崎監督が忘れられない桐山漣&菅田将暉との食事会
映画『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』(全国公開中)のメガホンを取った田崎竜太監督(崎はたつさきが正式表記)がインタビューに応じ、劇中に登場するレジェンドライダーの一人である、仮面ライダーWの魅力を語った。
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「仮面ライダーW(ダブル)」(2009~2010)は、奇怪な事件が多発する街・風都を舞台に、“ハーフボイルド”な私立探偵・左翔太郎(桐山漣)と相棒・フィリップ(菅田将暉)が事件を解決していく平成仮面ライダーシリーズ第11弾。本作では、鳳桜・カグヤ・クォーツ(永田聖一朗)が変身する仮面ライダーレジェンドによってクウガ、電王、オーズと共に召喚される。
“二人で一人の仮面ライダー”という異色の設定はもちろん、田崎監督、チーフプロデューサーを務めた塚田英明、脚本家の三条陸らによって構築された世界観は、多くの視聴者を虜にした。「塚田プロデューサーが、徹底した世界観の中で仮面ライダーを描こうとしていました。世界観をしっかり描くことは、予算もかかるので難しいのですが、そこを覚悟で描ききったことが、結果的に功を奏したような気がします」と田崎監督は分析する。
主演の桐山と菅田は、「仮面ライダーW」以降も数多くの映画・ドラマに出演し、役者として活躍し続けている。田崎監督は「二人とも、役者としてどんどん成長していっています。それは間違いありません。(当時も)第1話から、スポンジのようにいろんなことを吸収していました」と今も二人の成長を見守り続けている。
そんな田崎監督は、桐山と菅田との食事会で二人に伝えたとある言葉が今も記憶に残っているという。「二人が主役に決まった時、自己紹介も兼ねて食事会に行ったんです。厳しいオーディションの結果、主役に決まった二人は既にそれだけで、天下を取ったみたいな感じだったのですが、実際は主役に決まっただけで、翔太郎やフィリップのキャラクター像も、これから作っていかなければいけない状況でした。なので、私の方から『君たちが失敗したら、仮面ライダーシリーズは終わると思ってほしい』と二人に話をして、そこから態度が変化して、二人ともピリッとしていました。菅田くんと共演した役者さんから聞いた話ですが、菅田くんは(私の言葉を)今も覚えてくれているらしいです」
「仮面ライダーW(ダブル)」の世界観は、続編漫画「風都探偵」(週刊ビッグコミックスピリッツで連載中)として現在も拡大中で、テレビアニメ、舞台、劇場アニメとさまざまな媒体へと派生している。田崎監督は「塚田さんのプロデュース力の賜物だと思います。『仮面ライダーW』の世界が漫画、舞台、アニメ、劇場アニメと広がっていくのを見ていて、今後も楽しみになっています」と語り、今後の展開に期待を寄せていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)