ADVERTISEMENT

「SHOGUN 将軍」アンナ・サワイ、エミー賞快挙でオファー殺到 作品選びは「より慎重に」【単独インタビュー】

エミー賞での快挙から1週間、現在の心境は?- 画像は授賞式でのアンナ・サワイ
エミー賞での快挙から1週間、現在の心境は?- 画像は授賞式でのアンナ・サワイ - Gilbert Flores / Variety via Getty Images

 ディズニープラスで配信中のドラマ「SHOGUN 将軍」で戸田鞠子役を務め、アジア人初となるエミー賞主演女優賞(ドラマシリーズ部門)に輝いた俳優アンナ・サワイ。快挙づくしの授賞式から1週間が経ち、「もとの生活に戻りました」とにこやかに話すアンナが、シネマトゥデイのリモートインタビューに応じ、歴史的瞬間を振り返りながら今後のキャリアについて語った。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

【画像】アンナ・サワイ、大号泣!主演女優賞受賞の瞬間

主演女優賞受賞の瞬間「やっと息ができる」

受賞スピーチ時のアンナ・サワイ - Christopher Polk / Variety via Getty Images

 真田広之が主演&プロデュースした「SHOGUN 将軍」は、天下分け目の合戦「関ヶ原の戦い」前夜を舞台に、歴史上の人物にインスパイアされた戦国武将たちによる壮大な“謀り事”の裏側を、ディズニーが持つ製作会社の一つ「FX」が壮大なスケールで描き出した戦国スペクタクルドラマ。第76回エミー賞では、ドラマシリーズ部門の作品賞をはじめ、主演男優賞、主演女優賞など主要部門を席巻し、エミー賞史上最多の18部門を制覇する歴史的快挙を達成した。

ADVERTISEMENT

 日本時間16日に行われた授賞式から1週間。アンナは「すごく嬉しいと同時に、歴史に残ることが起きたと言われると未だに信じられないです。初めてアジア人女性が(主演女優賞を)受賞したことで『やっと時代が来たんだ』という思いもあります」と現在の心境を明かす。

 授賞式当日は「感情が繊細になって、1日中泣いていました」というアンナ。直前のレッドカーペットでも、大御所俳優からの言葉に感極まる姿が見られ、主演女優賞で名前が読み上げられる瞬間も大粒の涙を流していた。それでも、呼ばれた瞬間は「やっと息ができる」という感覚だったそうで、20年前にオーディションを受けたミュージカル「アニー」(2004)の合格発表が頭をよぎったという。

鞠子から受け取ったものは、本当に大きかった

アンナが演じた戸田鞠子 - (c) 2024 Disney and its related entities Courtesy of FX Networks

 「SHOGUN 将軍」での快挙に至るまで、アンナを誰よりも近くで支えたのは、授賞式で彼女の隣に座っていた母親だった。「1番大事な人です。母はストイックで、芯が強い。私もその姿を見て成長してきました。オーディションの時は、私よりも一生懸命に英語のセリフを読んでくれて、私のオーディションテープのために、文句を言わずに付き合ってくれました」

 「私が自信をなくすようなことは、今まで一度も言われたことがないです。私や姉のことを最優先にずっと支えてきてくれてたので、感謝してもしきれません。授賞式のステージ上では、母にその想いを伝えたいと思っていました」

ADVERTISEMENT

 “謀反人の娘”という過酷な運命を背負った鞠子と向き合うことは、決して簡単なことではなかったというアンナ。「撮影期間は本当に辛かったです。彼女の繊細さ、彼女が周りにどう見られているのか、その全てを背負っていたので、私生活まで少し影響されたこともありました。さらに、パンデミック下での撮影だったので、外出もせず、キャストともあまり会う機会がなかったので、ひとりぼっちになった感覚もありました」

 しかし、そういった苦労があったからこそ、アンナは鞠子を演じ切ることができたという。「鞠子から受け取ったものは、本当に大きかったです。もともと強く生きているタイプなのですが、鞠子のブレない気持ちが自分の中に染み込んだ気がします」

 米テレビ業界最高の栄誉とされるエミー賞を、日本人キャスト&スタッフの魂がこもった「SHOGUN 将軍」で受賞したことに「すごく意味がある」と語るアンナ。「日本人の辛さを描いたすごく小さな役から始まり、メインキャストでもあまり日本文化に触れられていない作品にも出演して、『SHOGUN 将軍』に辿り着きました。そして、『SHOGUN 将軍』ではさらにレベルアップした場所に到達できたので、自分は本当に恵まれていると改めて実感しています」

ADVERTISEMENT

歴史的快挙のその先へ…アンナ・サワイの新たな挑戦

アンナ・サワイの挑戦は始まったばかり - Kevin Mazur / Getty Images

 エミー賞受賞は、アンナにとって新たなスタート地点となった。早くも別作品の撮影に入っているアンナには、すでに出演オファーが殺到しているといい、「一緒に働きたいと言ってくださる方が本当にたくさんいて、(授賞式後は)ミーティングが増えました」と現状を明かす。

 ハリウッドスターの仲間入りを果たしたアンナだが、作品選びは「より一層気をつけたい」とさらに慎重な姿勢を見せる。「時代劇はもちろん、より現代的なキャラクターも演じてみたいです。作品やキャラクター次第で、世界が日本人をどのように見るかが変わってくると思うので、自分で吟味して、日本人が見ても違和感がなく、誇らしいと思っていただけるような役に挑戦したいです」

 「SHOGUN 将軍」の快挙によって、若き日本人役者が海外で挑戦する機会がさらに増えることだろう。アンナは将来を担う次世代の俳優たちへ「自分を持つこと。自分の声を聞くことが大事だと思います」と呼びかけ、「他人の言葉に流されて上手くいっても、それは自分が決めたことではありませんし、失敗したら他人のせいにしてしまいます。自分自身が決めたことであれば、悔いは残りません。自分を大事にして進んでいきましょう」とエールを送っていた。

「SHOGUN 将軍」ディズニープラスの「スター」にて独占配信中

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT