役所広司、『八犬伝』で“醜い老人”を目指した真意「八犬士たちの美しさが際立つ」
俳優の役所広司が27日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた映画『八犬伝』の公開記念舞台あいさつに内野聖陽、渡邊圭祐、鈴木仁、板垣李光人、水上恒司、栗山千明、曽利文彦監督と出席。同作で「なるべく醜い老人を演じられたら」と思っていたという役所は、その真意を明かした。
本作は、山田風太郎の小説「八犬伝 上・下」を、映画『ピンポン』などの曽利監督が映画化。宿縁に導かれた8人の剣士たちが戦いを繰り広げる物語の世界と、その執筆に執念を燃やす江戸時代の戯作者・滝沢馬琴(役所)を巡る世界を交錯させながら描く。
司会者から、公開初日(25日)と2日目(26日)でナンバー1の成績を収めていることを告げられた役所は「僕は公開してナンバー1という映画にあまり出たことがないので、すごく感動しています」と破顔。「三日天下にならないように、皆さんのお力をぜひお借りしたいです」と客席に呼びかける。
滝沢馬琴を演じるにあたり、役所は何時間もかけて特殊メイクを施し、撮影に臨んだ。「衣装さん、メイクさん、美術さんにとても助けられました。扮装することによって、年を重ねていった雰囲気が体になじんでくる。そんな皆さんの力を借りて演じ切ることができました」と周囲への感謝を述べる。
さらに役所は「僕と(葛飾北斎役の)内野さんは、なるべく醜い老人を演じられたらと思っていました」と役へのアプローチ方法を明かすと、「そうすることで、八犬士たちの美しさが際立つと思ったんです」と真意を述べていた。
曽利監督は「理想通りのキャストになりました。撮影をしていてこちらがドキドキ緊張してしまうほど」と役所や内野ら俳優陣の存在感を強調すると、「役所さんと内野さんは長いお芝居シーンがありますが、カメラを止めることなく撮りました。お二人のお芝居がどれだけすごいか、ぜひご覧ください」とアピールしていた。(磯部正和)