「スター・ウォーズ」新作ドラマ、荒っぽいけど頼れるドロイド!SM-33を演じた人形遣いの存在
ディズニープラスで配信がスタートした『スター・ウォーズ』の新作ドラマシリーズ「スター・ウォーズ:スケルトン・クルー」を監督したジョン・ワッツと脚本家のクリストファー・フォードが、劇中に登場する新たなドロイド・SM-33について語った。
本作は、広大な銀河に迷い込んだ子供たちの大冒険を描くスペースアドベンチャー。平和な惑星に住む4人の少年少女たちが、地中に埋まっていた、持ち主不明の宇宙船に乗り込んだことから、危険なクリーチャーや宇宙海賊が待ち受ける銀河へ。神秘の力を操る謎の男や、新たなドロイドと、乗組員チーム「スケルトン・クルー」を結成することになる。
右も左もわからないまま迷子になった子供たちが出会うのが、彼らが乗り込む宇宙船に放置されていたドロイド・SM-33だ。その言動は荒っぽく、C-3POのようなフレンドリーさは皆無。そんなSM-33誕生の経緯について、ワッツ監督は「子供たちにとって、最悪なベビーシッターはどんな人だろう? という視点で考えました」と語る。
「不機嫌でギスギスしている、意地悪な老海賊のようなドロイド、子供たちの泣き言や文句に付き合うくらいなら、エアロックから放り出してしまうような存在です。(そのアイデアが)膨らんでいって、僕たちも彼をどんどん気難しく、少し野蛮な感じのキャラクターにしていくのを楽しんでいました」
そんなSM-33だが、子供たちにとっては、行く先のわからない旅をサポートしてくれる唯一の頼れる存在でもあると、クリストファーは明かす。「SM-33の根底にあるのは、素晴らしい一等航海士になるためのプログラムに従うことなんです。それは(子供たちが乗る船の)船長に仕えることでもあります。だから彼は子供たちにとって素晴らしい味方となり、子供たちは彼の忠誠心を感じることになるんです」
長らく放置されていたSM-33の体はさびだらけでボロボロ。そのいかめしい動きを生み出すため、実際の人形も用いられたという。ワッツ監督は「義足を引きずっているような、さびついた老海賊のような動きをどう作るのか? そこで僕たちがたどり着いたのが、文楽(操り人形)だったんです」と明かす。
「僕たちは実際に、頭のてっぺんからつま先まで、ドロイド全体を作り上げました。撮影現場では、(ドロイドの後ろから)人形遣いが彼を動かします。撮影現場の俳優たちは、その場にいるドロイドとやりとりするんです。僕たちがしなければならなかった唯一の視覚効果は、その後ろにいる人形遣いを消すことだけだったんです。素晴らしいアーティストである人形遣いを消さなければならなかったとも言えます」
ちなみに、そんなSM-33の声を担当しているのは、サイモン・ペッグとの名コンビでも知られる俳優のニック・フロスト。撮影現場では、彼の声も大きな役割を果たしたとワッツ監督は語る。「ニック・フロストのセリフは事前に録音しておいたんです。そして、人形遣いがSM-33のボディを操作するのに合わせて、彼のセリフをひとつひとつ画面外で出していった。まるで、ニックもそのシーンの共演者で、本当にその場で俳優たちに話しかけているようでしたよ」(編集部・入倉功一)
「スター・ウォーズ:スケルトン・クルー」はディズニープラスにて独占配信中