「相棒」新旧“トリオ・ザ・捜一”ついに邂逅 懐かしの愛されキャラ、9シーズンぶり再登場【ネタバレあり】
連続ドラマ「相棒season23」(テレビ朝日系・毎週水曜よる9時~)の第7話「復讐者は笑わない」が11日、放送された。今回は、過去の事件での指名手配犯が殺された事件に絡み、元捜査一課の三浦信輔(大谷亮介)より、杉下右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)に捜査の依頼が入ったことから物語がスタート。かつてのレギュラーキャラクターの9シーズンぶりとなる登場に「オールドファン大歓喜」「三浦さーん!」とネットは大盛り上がり。意外な展開を迎える事件についても「複雑だけど面白かった!」「ある意味ヤバいヤツしかいない」と話題になっている。(以下、第7話の内容に触れています)
【画像】現“トリオ・ザ・捜一”とも邂逅!9シーズンぶりに登場した三浦元刑事
公園で殺された男は、29年前に女子大生・板垣里穂を殺した容疑で指名手配されていた押見博樹(鎌倉太郎)だった。2010年の改正刑事訴訟法の施行される以前の事件だったため、時効が成立している。三浦は当時、被害者遺族の対応を担当していたといい、里穂の父・正継や、婚約者の恒川圭一郎(神尾佑)の対応をしていた。自分の言葉が押見の復讐心をあおってしまったかもしれない、そのせいで罪を犯したのかもしれないと、三浦は心を痛めていた。
捜査一課には迷惑をかけられないから、旧知の伊丹憲一(川原和久)らにはそのことを伝えていないという三浦に「特命係なら思う存分迷惑がかけられると?」と優しくほほ笑む右京。「ま、そんなところです」と苦笑しながら答える三浦に、「特命係との絶妙な信頼感!」「三浦さんは困ると右京さんを頼る(笑)」とその絆を懐かしむ声が挙がっていた。
恒川は10年前、事件現場に近い八王子の一軒家に引っ越しており、そのころから自力で押見を探すのをやめていた。いまはスーパーで働いているというが、事件当日は病欠。しかも当日、スーパーには押見が押しかけ、店員の友繁沙也加(佐藤みゆき)ともめていた。さらに彼女の元夫で、DV加害者だった庄島も姿を見せていた。「きみのほうが嗅覚が鋭いと思いましてね」と薫に押見の落とし物を探させる右京。「俺は警察犬じゃないんですからね」と言いながらも、薫はしっかりとその落とし物・「蝶と夜」と店名が入ったライターを見つけ出していた。
押見は偽造パスポートで海外に2年間逃亡していたという。つまり、時効は成立していないことになる。ここ10年の足取りは不明だったが、押見の妹の店だった「蝶と夜」に突然1週間前に現れて、「あいつだけは許さねえ」と誰かを探していたことがわかった。
刺された際、押見は警察沙汰を避けるために凶器の包丁を公園に隠したのではないかと推理した右京は、「君の得意の嗅覚で」と薫に捜索を依頼。首尾よく凶器を見つけ出した薫に、「亀ちゃん、本気で警察犬に転職した方が…」と励ます(?)ファンも。さらに三浦からの情報もあって、右京は真相にたどりついた。
10年前、押見が大ファンだったというサッカーチームが初優勝を果たし、その現場を張っていた恒川は彼を見つけ出した。殺そうとしたがどうしても殺せず、押見を家に監禁。顔も見せず声も聞かせないまま、10年間が経っていた。だが、何かと恒川を気にかけるようになった沙也加は家に来るようにもなり、恒川は押見を解放する。恒川はわずかな手がかりから沙也加にたどりつき、押見を探していたのだ。
公園から発見された凶器についていたのは、庄島の指紋だった。押見が沙也加の新しい男だと勘違いした庄島と、庄島が自分を監禁した男だと思い込んだ押見はもみ合いになり、包丁が押見に刺さったのだった。
被害者遺族が笑うことは、決して後ろめたいことではないという右京。監禁罪で伊丹に同行される際、「里穂はこんな俺を許してくれるでしょうか?」という恒川を、右京は「そのためにもしっかり罪をつぐなってください」とさとす。最後に三浦の姿を認めた恒川は、ぎこちない笑顔を浮かべていた。
また、ことさら三浦に言葉をかけず、軽くうなずきながら手を挙げただけの伊丹に、同じくうなずいて手を挙げる三浦。伊丹は芹沢に「三浦さんが関わってるからって妙な感情は持ち込むな」と釘を刺していたが、芹沢が「逆の意味に聞こえたんですよね」と解釈したように、伊丹の思いは深い。「この距離感…たまらん」「このやり取りは泣ける」とファンがうなる関係性だった。
そもそも三浦は、Preseason第2話から登場していた捜査一課の刑事だ。伊丹の先輩的立場で、芹沢加入後は3人で「トリオ・ザ・捜一」と呼ばれ、ファンに愛されてきたキャラクターだった。ところが、season12第1話「ビリーバー」で負傷、足が不自由になってしまい依願退職。season14の元日SP「英雄~罪深き者たち」で一度登場していたが、そのときは捜一との絡みはなかった。
今回、恒川家の前で出会った際、芹沢ははしゃいでいたが、伊丹はクール。さらに出雲麗音(篠原ゆき子)は「はじめまして出雲と申します」と挨拶し、三浦は「あ、君か」と応えた。「あの二人とずっと一緒にいた三浦さんのこと、尊敬してます」という麗音に、「あいつらのこと、よろしくな」と託す三浦。お互いに噂は聞いてるというスタンスが「胸アツ……」と感動を呼んでいる。「新旧のトリオ・ザ・捜一が見れたのが感慨深い」「三浦さんから麗音にバトンタッチしたんだなあ」と改めて感慨にふける声も見受けられた。
ラストシーンは「こてまり」で、三浦からの差し入れの飛騨牛ですき焼きを食べる右京、薫、美和子(鈴木砂羽)の図。薫が右京の卵を使ってしまい、「卵、ほしいじゃないですか」とこだわる右京の、さりげなくも微笑ましいやりとりで幕を下ろしたが、次回予告では薫が負傷する衝撃の姿が。だが、「今度は亀山? デジャブか?」「ま、薫ちゃん丈夫だから」とネットは平常心だった。薫の人徳かもしれない。(文・早川あゆみ)