ソニー会長、『スパイダーマン』ユニバース再考を提言 『マダム・ウェブ』などの大失敗は「メディアが叩きまくったから」
独自の『スパイダーマン』ユニバースを展開するソニー・ピクチャーズ エンタテインメント会長兼CEOのトニー・ヴィンチケラが、今年公開したマーベル映画『マダム・ウェブ』『クレイヴン・ザ・ハンター』が興行&批評面で大失敗したことについて、Los Angeles Times で見解を述べた。
ソニーは『ヴェノム』を皮切りに、スパイダーマン関連のキャラクターが活躍するスピンオフ映画を次々と展開し、独自のユニバース構築を目指してきた。しかし、『モービウス』『マダム・ウェブ』と新作が公開される度に批評家から酷評され、興行成績も振るわず。今月公開された最新作『クレイヴン・ザ・ハンター』も、オープニング興収はマーベル原作の映画史上最低の数字となってしまった。
間もなくCEOを退任するヴィンチケラ会長は、在職期間中の成績について「概ね満足している」としながら、「残念なことに、先週末に公開した(『クレイヴン・ザ・ハンター』)は、ここ7年半の間で最低のローンチとなってしまった」と大苦戦を認めている。一方で、「映画は決して悪い出来ではない」と作品を評価し、酷評されたことについて「私にはいまだに理解できない」と疑問を呈した。
2024年、ソニーのマーベル映画は厳しい結果に終わった。ヴィンチケラ会長は、2月に公開された『マダム・ウェブ』にも言及し、「『マダム・ウェブ』の劇場興行が振るわなかったのは、メディアが映画をひたすら叩いたから。出来が悪い映画ではないですし、Netflixでの配信は好調です。何らかの理由で、メディアは『マダム・ウェブ』『クレイヴン・ザ・ハンター』を大失敗させようとして、批評家が(それらを)こき下ろしたんです」と主張。批評家から低評価をくらった『ヴェノム』シリーズが、ファンから愛されていることにも触れ「これらは決してヒドい映画ではありません。メディアや批評家が(作品を)台無しにしてしまったんです」と語った。
The Wrap は先日、ソニーの『スパイダーマン』ユニバースが『クレイヴン・ザ・ハンター』をもって終了するというコラム記事を掲載した。ユニバースの今後について、ヴィンチケラ会長は「終了」ではなく「再構築が必要」と提言しており、「私たちは再考しなければなりません。何もできない状態です。新作を出したとしても、(映画の内容が)良かろうが悪かろうが、叩かれてしまうだけですから」と明かしている。(編集部・倉本拓弥)