『ゴジラ-1.0』白組に「映画のまち調布賞」特別賞 山崎貴監督も感謝「地元感があってとても嬉しい」

「第7回映画のまち調布賞」授賞式が22日、東京・調布市で開催され、映画『ゴジラ-1.0』を手がけた映像制作会社・白組が特別賞を受賞した。同作は録音賞を竹内久史が、編集賞を宮島竜治が受賞しており、3部門での受賞となった。
【画像】絶望しかない…戦後日本を破壊するゴジラ『ゴジラ-1.0』場面写真
映画製作の現場を支える技術者や制作会社といった「映画のつくり手」を表彰する本映画祭。『ゴジラ-1.0』で日本映画として初めてアメリカの第96回アカデミー賞で視覚効果賞を受賞した白組は、調布にスタジオを構える、同市ゆかりの映像プロダクションでもある。特別賞受賞式の冒頭、山崎貴監督もVTRでメッセージを寄せ、「調布にある会社ですから、地元の賞、特別賞を頂き光栄です。地元感があってとても嬉しいです」と笑顔で感謝を伝えた。
白組の調布スタジオ所属で、メインスタッフとして『ゴジラ-1.0』に携わった佐藤昭一郎は、同社を代表してトロフィーを受け取ると「映えある賞をいただき嬉しいです。今回、アカデミー賞で視覚効果賞を受賞した際には調布スタジオがある京王多摩川のいたるところにお祝いの張り紙などを貼っていただき、町全体で祝福をしていただきました」と感謝。
さらに佐藤は「長年映画に携わってきた映像制作会社として、この映画の町・調布にも嬉しいニュースを届けることができたのかなと思いました。頑張って作ってよかったと大変嬉しく思います。白組を代表して感謝申し上げます」と感慨深げに受賞の喜びを語った。
また、録音賞を受賞した竹内は「日活撮影所など、僕にとってゆかりのある場所、また、白組のある調布でこのような賞をいただき本当に嬉しい」と述べ、「この作品の音の構成を監督、プロデューサーと早い段階で話し合った時に、『体感型を目指す』をテーマに取り組みました」と本作の音作りについて語る。
さらに竹内は「そのために音響効果の井上(奈津子)さんと日本全国、(映画の舞台である)1940年代から存在するものが残る場所に行き、できるだけ多くの音を録音して、それをたくさんのシーンで使いました。それと同時にラージフォーマットのドルビーアトモスなどを使用して、観客の皆さんを包み込み、作品を通して没入感を音で表現できるようにしました」と『ゴジラ-1.0』における工夫を明かしていた。また、編集賞を受賞した宮島も感無量の表情で、感謝の思いと共に「嬉しいです。ゴジラに踏み潰されてもいいかなという思いです」と話して笑顔を見せていた。(取材・文:名鹿祥史)