西野七瀬、難役に悩み続けた日々 クランクアップに涙「もがきながら演じました」

俳優の西野七瀬が20日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた映画『少年と犬』(3月20日公開)完成披露試写会に出席し、罪を抱える難役に挑んだ胸の内を明かした。イベントには西野と共にダブル主演を務める高橋文哉、伊藤健太郎、伊原六花、斎藤工、瀬々敬久監督も登壇した。
【画像】犬のさくらも登場!高橋文哉、伊藤健太郎らと完成披露の様子
第163回直木賞を受賞した馳星周の同名小説を、『糸』『ラーゲリより愛を込めて』などの瀬々敬久監督が映画化した本作。東日本大震災で飼い主を亡くした犬の多聞が、ある少年に会うために西に向かい日本を横断するなかで、さまざまな人々と交流していく。西野は、滋賀で多聞と出会った須貝美羽を演じた。
美羽は、ある罪を隠し続けている設定。西野はオファーを受けた際「とても難しい役で、自分にこの役はうまくできるのだろうか」と思い悩む一方で「こんな役に挑戦できる機会はないかもしれない」とチャレンジ精神が湧き上がってきたという。
実際、撮影現場でも「過酷なシーンも多く、撮影期間中は怒濤の展開でした」と振り返ると「毎日気が抜けず、悩み続ける日々でした」と胸の内を明かす。張り詰めた緊張のなか、クランクアップを迎えた際には涙があふれたとも。その時の心境について「解放された気持ちとやり切ったという気持ちが沸いてきて涙が出てしまいました」と回顧していた。
撮影が終わり、完成した作品を観たときには「物語を知っているのに、観ているうちに作品に引き込まれ、気がついたら涙が出ていました」と再び涙したことを明かすと「映画っていいな。こんな素敵な作品に関わることができて恵まれているな。幸せ者だな」としみじみ思ったと振り返る。
さらに西野は「作品を観て、日常は当たり前のように過ぎていくけれど、改めて一日一日を大切に生きていきたいと実感しました」とも語っていた。撮影中は、多聞役のシェパード“さくら”とのシーンも多かった西野。この日はさくらも映画完成のお祝いにやってくると「これまであまり大型犬と触れ合うことはなかったのですが、とても格好いいし、魅力たっぷり。癒やされました」と頭をなでるシーンも。
渾身の思いで臨んだ撮影。西野は「もがきながら演じました。そのときできる自分のすべてをぶつけることができました」とすがすがしい表情で、「酷な話でもありますが、希望が見える話でもあります。1秒1秒を逃さず観ていただければ」と客席に呼びかけていた。(磯部正和)