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【ネタバレ】「相棒」時事ネタ満載の最終回前篇 特命係vs怪しい都知事、ゲストの怪演光る

都知事は何か隠している? - 最終回スペシャル前篇より
都知事は何か隠している? - 最終回スペシャル前篇より - (C)テレビ朝日

 5日、ドラマ「相棒season23」(テレビ朝日系)の最終回スペシャル前篇(第18話)「怪物と聖剣」が放送された。連続強盗事件に端を発し、政治の利権構造に発展していく事態に、特命係の杉下右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)はどう対峙していくのか。「虚構に思えないとこが空恐ろしい」「事件というより政界の巨悪と戦う感じ」「ここ最近の政治ネタ全部混ざってる!」「えらい時事ネタぶっ込んできた」と現実とシンクロする「相棒」特有の面白さに話題が集まっている。(以下、内容に触れています)

【画像】右京に迫る謎の男たち…第18話(最終回SP前篇)場面カット

 角田課長(山西惇)が陣頭指揮をとる匿名・流動型犯罪グループ(匿流)の統合捜査本部に駆り出された右京と薫は、武蔵多摩川市で連続している4軒の住居侵入・強盗事件を担当することになった。3軒目までの強盗事件はいずれも少額の金品が奪われるという共通点があったが、4軒目の都議・橋迫倫子(愛希れいか)の家だけは金品の被害がなく、状況が異なっている。居合わせた母が暴行を受けて意識不明の重体、娘・ほまれ(山中七)もショックが大きく入院しており、部屋中に黒いスプレーが撒かれていた。

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 倫子の事務所には、都の公共事業や助成金に関する怪文書が送られてきていた。都の税金100億円以上がずさんに使われているという膨大な文章で、倫子は公文書の開示請求をしていたが、真っ黒に塗られたいわゆる「のり弁」が出されていた。

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 ほまれは、事件の詳細をノートに書いていた。それによると、犯人たちは「おいら」「あんたらは地雷を踏んだってわけ」「上の命令」などと言い、1人は腕に鶏の入れ墨をしていたという。さらに、倫子を待って長時間滞在していたこともわかった。「(ほまれからは)戦う意思が感じられました」と右京は言うが、倫子は都議を辞職するつもりだと答える。ほまれと祖母の病院には、捜査一課の伊丹憲一(川原和久)、芹沢慶二(山中崇史)、出雲麗音(篠原ゆき子)が護衛についていた。

 3件の事件は橋迫家とは別の犯人だった。また、匿流の犯罪者たちは「上の人の命令」だったと口々に語った。さらに、サイバーセキュリティー対策本部の土師太(松嶋亮太)の情報で、匿流事件のネットの掲示板に、警察が鶏の入れ墨を探していると書き込まれていることがわかった。

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 そのころ、鶏の入れ墨の男・木原健二(平山祐介)はケータリングのワゴン車の中で鼻歌交じりに鶏のから揚げを作り、若者たちにタダでふるまっていた……。

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 特命係は都庁を訪れ、係の石田心(太田いず帆)に黒塗り文章のことを確認していた。「上の判断を仰いでみます」と石田が連れてきた局長は、「上から開示はできないといわれています」「あなたがたも公務員なんですから察してください」とむべもない。

 一岡光(片桐仁)都知事に直撃した右京と薫は、出所不明の文章を見せるも、怪文書だと一刀両断される。文章は偽造されたものだという一岡に、ならば公文書偽造で捜査をするという右京だったが、一岡は相手にしない。足早にエレベーターに乗る一岡に右京は、「あなたは都民に約束しましたよね、公文書の黒塗りは廃止すると」と迫るが、一岡は首をかしげたまま扉が閉まった。「逃げると追いかけたくなるのが、僕の悪い癖」「俺もっす」と特命係はつぶやいた。

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 小料理屋「こてまり」で、元検事で記者の黒崎健太(内田裕也)は、文章が本物だろう、会計報告がずさんだと断言。橋迫都議以外の政治家たちにも文章は送られており、内部告発だったようだ。だが、政治家たちは誰も動かず、行動した倫子の家は強盗被害にあっていた。

 美和子(鈴木砂羽)によると、一岡はもともと芸人や役者をやっていたが、自己啓発本が大ベストセラーになったことなどから都知事に当選していた。過去の知事の不正を暴いたりもしたが、現在は東京都を世界的な都市に進化させるプロジェクトを推進、政界や財界から大きく支持されていた。既存の利権政治を破壊したと見せて、自分が利権の玉座に居座っているのだ。

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 右京は馴染みの紅茶店で、浦神鹿(毎熊克哉)という男に声をかけられた。一緒に紅茶を飲もうと誘われ、職業当てが特技という浦に警察官だとあてられた右京。右京は浦を「あなたは何者でもない」と指摘する。浦は小説家志望であり、描きたいテーマは「悪」だという。「僕の友達になってください」と手を差し出した浦に、右京は紅茶のカップを掲げてみせた。

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 右京と薫は、内村刑事部長(片桐竜次)と中園参事官(小野了)から、一岡にふれるなと厳命される。命令は上からだという中園に、薫は「上っていうのは最近の俺らの流行語大賞でして」と返す。

 木原は、若い男・清田に鶏の入れ墨を入れさせ、3件目の事件で盗まれた皿を売りさばけと指示を出す。土師が転売サイトで出品されていた皿を見つけて清田を特定。部屋に踏み込んだ右京らは、風呂で死んでいる清田を発見した。清田はスケープゴートにされたのだ。

 一岡は、「グレイテス都!プロジェクト」をアジェンダとしていたが、それをアップデートして、自身が日本をリノベーションすると言い出した。つまり、国政に進出し、総理になるというのだ。「嫌な予感がします。この男、ここでとめておかないと大変なことになる」右京は危惧する。

 一岡が主催し、政界財界などの有料者を集めた会合を開いていた。総理の名代として社美彌子(仲間由紀恵)も出席している。そこに姿を現したのは、浦だった……。

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 片桐、毎熊ら、ゲストキャストの怪演に賞賛の声が集まった今回。「相棒世界の政治家界隈はキャラ濃い人が多い」と楽しんだ視聴者が多かったようだが、レギュラー陣にも見どころが多かった。まず、久々に登場の黒崎(内田)は、冠城亘(反町隆史)の元同僚で東京地検特捜部の検事だったが退職し、記者になった右京ファン。「右京さんガチ勢の黒崎再登場は素直に嬉しい」「こういう以前の仲間の出演って良いのね」と喜びの声が聞かれた。

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 レギュラー陣では、「大河内さん久しぶり!」「ラムネが総監に楯突いてる~」「ラムネ~!」と、登場するだけでネットが大いに沸く大河内春樹(神保悟志)。さらに今回は「照れるいたみん!」と反響を巻き起こしたシーンもあった。「(ほまれには)何人たりとも指一本触れさせねえ」と言い切り、ほまれに「カッコいい」「(捜一の)3人は私の三銃士だから」と言われて動揺、芹沢に「よかったすね先輩」と突っ込まれていたのだ。課長が猫の手も借りたいようだと話したあと、「行きますよ」という右京に「にゃー」と答えた薫が、右京に「はいはい」と軽くあしらわれるという、特命係の微笑ましいやりとりも見どころだった。

 「フィクサーっぽい毎熊さん、たのしみ」「内容が現実じみてて面白かった」「片桐仁すげー」「しかし今回、相手が巨悪すぎて決着がつくのか?」「ここまでは結末の見えない展開。来週が楽しみだけど終わってほしくないジレンマ」「やっぱり今期は通してすごいシーズンだなぁ」と、次回の後篇に期待が高まっている。(文・早川あゆみ)

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