東京の恋人 (2019):映画短評
東京の恋人 (2019)誰もが川上奈々美に魅せられる
ロマンポルノ的だった『火口のふたり』同様、オトナの恋を描いているが、こちらは吉岡睦雄やいまおかしんじ、伊藤清美といったポイントとなるキャスティングも含め、ピンク映画感強めといったところ。ぶっちゃけ、W不倫をするクズ男の話ではあるが、自らの青春にケジメをつける戦いに挑む、カッコ悪さゆえのカッコ良さがジワる。モノローグ頼りな部分など、ところどころ粗さも目立つものの、下社敦郎監督の映画と音楽に対する真摯な気持ちが、いい意味でフォロー。そんななか、コロコロと変わる表情も印象的な川上奈々美が、「MOOSIC LAB」女優賞も納得の芝居を魅せており、彼女のための映画と言ってもいいだろう。
この短評にはネタバレを含んでいます