くれい響

くれい響

略歴: 1971年、東京都出身。大学在学中、クイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作、「映画秘宝(洋泉社)」編集部員を経て、フリーとなる。現在は映画評論家として、映画誌・情報誌・ウェブ、劇場プログラムなどに寄稿。また、香港の地元紙「香港ポスト」では20年以上に渡り、カルチャー・コラムを連載するほか、ライターとしても多岐に渡って活動中。

近況: 『インファナル・アフェア4K 3部作』『search #サーチ2』『縁路はるばる』『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』『恋のいばら』『この小さな手』『香港怪奇物語 歪んだ三つの空間』(公式HP)『呪呪呪/死者をあやつるもの』(公式HP)などの劇場パンフにコラム・インタビューを寄稿。そのほか、キネマ旬報ムック「細田守とスタジオ地図の10年」にて細田守監督×ポン・ジュノ監督、「CREA WEB」にてアイナジエンドさん、倉悠貴さん、Evan Callさん、「GetNavi web」にて中井友望さん、武田玲奈さん、北香那さん、浅川梨奈さん、三浦翔平さん、森山みつきさんなどのインタビュー記事も掲載中。

サイト: http://blog.goo.ne.jp/asiareview/

くれい響 さんの映画短評

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  • トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦
    早くも2025年ベスト候補、現る!
    ★★★★★

    映画オリジナルとなるキャラ設定・造形など、原作から大きく改変したものの、ファンからクラッシャーと呼ばれるどころか絶賛された、キャラ立ちまくりの『欲望の街 古惑仔』感。そして、原作とは無縁のリアタイで九龍城砦を知る年配客も巻き込んでしまった、ノスタルジックでドラマチックな『ALWAYS 三丁目の夕日』感。この2点を軸に、漢だらけの新旧キャストから醸し出される熱量、谷垣健治氏によるアクション造形など、「継承」をテーマに“エンタメぜんぶ乗せ”ながら、ざっくり香港映画史までも網羅してしまった奇跡の125分。エネルギッシュなバトルからの、おセンチすぎるラストも泣けます。

  • 満ち足りた家族
    韓国映画としてのアレンジが肝
    ★★★★

    リチャード・ギアとスティーヴ・クーガンが兄弟を演じた『冷たい晩餐』と同様、「倫理観」をテーマに描いた小説の映画化だが、その出来は雲泥の差。それもそのはず。4度目の映画化となる今回の韓国版は、キャラ設定など、イタリア版(『われらの子どもたち』)をベースにしているうえ、教育や介護といった韓国社会における問題点も巧く取り入れるなど、かなり意欲的な作りになっている。ホ・ジノ監督といえば、ラブストーリーのイメージが強いが、今回は繊細な心理描写を際立たせ、事件の加害者となった我が子を守ろうとするソル・ギョングとチャン・ドンゴンの駆け引きをスリリングに捉えている。

  • アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方
    セバスタの再現度の高さに圧倒!
    ★★★★

    前作『聖地には蜘蛛が巣を張る』で次なるステップに上がったアリ・アッバシ監督による、「トランプ立志伝」。ということで、初めて他人による脚本ではあるものの、爆上がりする期待値に間違いなく応えてくれる! ピュアなボンボンが悪徳弁護士に導かれ、「3つの教え」を叩きこまれ、怪物に変貌していく展開は、まさにフランケンシュタイン誕生物語であり、ギリシャ悲劇の趣もアリ。ウィンターソルジャーの面影が微塵もないセバスチャン・スタンの憑依っぷりはもちろん、編集のテンポも心地良く、本作を観ることで、今のトランプの言動から女性の趣味に至るまで、いろいろ分かってしまうヤバさも興味深い。

  • 366日
    MD映画として泣くか? それとも溝端淳平に泣くか?
    ★★★★★

    TVドラマに続き、まだまだ擦る「366日」であり、今度も難病モノだが、かなり卑怯な展開が用意。そういう意味でも、なかなか酷い話でもあるのだが、キラキラ映画以前から、このテの恋愛モノを手掛けていた新城毅彦監督の演出の手堅さにより、赤楚衛二と上白石萌歌のピュアな魅力が十二分に発揮。脇に回った中島裕翔の役回りもかなり美味しい。しかも、過去の産物としてノスタルジックを感じさせるMD映画として、レコードやカセット映画と異なる味わいも楽しめる。HYの楽曲の(涙腺)破壊力は間違いないか、「366日」が初めて使われた『赤い糸』で主人公だった溝端淳平をキャスティングしてくれたこともジワる。

  • エマニュエル
    『恋する惑星』オマージュにゾワゾワする
    ★★★★★

    舞台は『続エマニエル夫人』と同じく香港。しかも、エログロな成人映画(三級電影)で名を馳せたアンソニー・ウォンまで出演となれば、いろんな妄想を掻き立てられられるが、主演がレア・セドゥから『燃える女の肖像』のノエミ・メルランに変更されたことで、より『あのこと』のオドレイ・ディワン監督作らしい「エマニエル夫人」にアップデート。ぶっちゃけ直接的な描写は少ないものの、ウォンが“神の目”として登場する『硝子の塔』を思い起こさせる意味深なモニタールームやら、ディワン監督の『恋する惑星』リスペクトを感じる重慶マンションの深夜徘徊など、ゾワゾワさせられるシーンも多い。

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