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第67回ベルリン国際映画祭コンペティション部門18作品紹介(2/3)

第67回ベルリン国際映画祭

ベルリン国際映画祭

<最優秀脚本賞>セバスティアン・レリオ&ゴンサロ・マサ『ア・ファンタスティック・ウーマン(英題) / A Fantastic Woman』

製作国:チリ、アメリカ、ドイツ、スペイン
監督:セバスティアン・レリオ
キャスト:ダニエラ・ヴェガ、フランシスコ・レイエス

【ストーリー】 ナイトクラブでシンガーをしているトランスジェンダーのマリーナ。彼女の年上の恋人で、旅行会社の窓口で働く60歳の男性が、ある日突然、彼女の部屋で亡くなってしまい、その死によってマリーナに思いがけない災難が降りかかる。

【ここに注目】 『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』パブロ・ラライン監督らと共に、チリ映画界を牽引するメンバーであるセバスティアン・レリオ監督が放つ異色の人間ドラマ。チリの首都サンティアゴで暮らすごく普通の人々の悲喜こもごもを、ブラックな笑いを交えて描写する。『グロリアの青春』で本映画祭のエキュメニカル審査員賞を獲得した実力派監督の最新作は、彼に栄冠をもたらすのか!?

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ベルリン国際映画祭
(C) Robert Paeka

<アルフレート・バウアー賞>『スプーア(英題) / Spoor』

製作国:ポーランド、ドイツ、チェコ、スウェーデン、スロバキア
監督:アグニエシュカ・ホランド
キャスト:アグニエシュカ・マンダー、ミロスラヴ・クロボット

【ストーリー】 クウォツコ渓谷で一人暮らしをする中年女性ヤニーナは、この小さな町で立て続けに不可解な殺人事件が起きていると主張する。彼女は、自分は犯人も、そしてその動機もすべてお見通しだと主張するものの、誰一人彼女を信じる者はいなかった。

【ここに注目】 レオナルド・ディカプリオ主演の『太陽と月に背いて』『敬愛なるベートーヴェン』などを手掛けてきたポーランドを代表する女性監督アグニエシュカ・ホランドによる犯罪ドラマ。連続殺人事件の真相を探ろうとする主人公が、周囲の人々の無関心や無理解に立ち向かおうとする姿を描き出す。ポーランド国内はもとより、アメリカやドイツでも活躍する国際派監督が、満を持して最高賞の金熊賞を狙う。

ベルリン国際映画祭
(C) zeroonefilm/ bpk_ErnstvonSiemensKunststiftung_StiftungMuseumSchlossMoyland
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『ボイス(原題) / Beuys』

製作国:ドイツ
監督:アンドレス・ファイエル
キャスト:ヨーゼフ・ボイス

【ストーリー】 初期のフルクサス(前衛芸術運動)に関わり、ドイツの著名な美術家にして彫刻家、教育者、社会活動家でもあるヨーゼフ・ボイスの生き様を描いたドキュメンタリー。

【ここに注目】 ドキュメンタリー映像作家として名をはせるファイエル監督。本映画祭では、2004年に『芝居に夢中』でパノラマ観客賞を、2011年には『イフ・ノット・アス、フー?(英題) / If Not Us, Who?』が銀熊賞アルフレッド・バウアー賞をそれぞれ受賞している。本作はヨーゼフ・ボイス財団の協力を得て製作しており、ボイスのカリスマ性がキャリア初期にはなかったことを指摘している。

ベルリン国際映画祭
(C) Alce Filmes

『コロ(原題) / Colo』

製作国:ポルトガル、フランス
監督:テレーザ・ヴィラヴェルデ
キャスト:ジョアン・ペドロ・ヴァス、アリス・アルベルガリア・ボルジェス

【ストーリー】 ポルトガルの快適なアパートに暮らす一家。しかし、失業した父親は日中を屋上でぼんやり過ごし、母親が仕事を掛け持ちして働いた。思春期の娘は学校までのバス賃を心配している。家族は生活苦という現実から逃げ、次第にすれ違いはじめる。

【ここに注目】 1994年のベネチア国際映画祭コンペティションに出品した『トレス・イルマオ(原題) / Tres Irmaos』でマリア・デ・メディロスに最優秀女優賞をもたらし、ポルトガルを代表する女性監督となったテレーザ・ヴィラヴェルデ。彼女いわく、本作は穏やかでありながらも、張り詰めたムードを持つ作品になっているのだとか。ポルトガルの演劇界で活躍する、主演のジョアン・ペドロ・ヴァスにも期待したい。

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(C) 2016 Tesuco Holdings Ltd
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『ザ・ディナー(原題) / The Dinner』

製作国:アメリカ
監督:オーレン・ムーヴァーマン
キャスト:リチャード・ギアローラ・リニー

【ストーリー】 スタンとバーバラの兄夫妻とポールとクレアの弟夫妻は、定期的に会食をしている。ある日の晩餐、それぞれの息子たちがしでかしたスキャンダルが明らかになり、彼らはどう対処すべきか口論を繰り広げる。

【ここに注目】 ヘルマン・コッホ著のベストセラー小説「冷たい晩餐」を基に、ムーヴァーマンが監督・脚本を務めたスリラー作品。主演のリチャード・ギアとは『ロスト・イン・マンハッタン 人生をもう一度』に次ぐ再タッグとなる。リチャードふんするスタンの妻をレベッカ・ホールが、弟夫妻をスティーヴ・クーガンとローラ・リニーが務めており、演技派たちの競演に期待が高まる。

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(C) Roger Arpajou

『ジャンゴ(原題) / Django』

製作国:フランス
監督:エチエンヌ・コマール
キャスト:レダ・カテブセシル・ドゥ・フランス

【ストーリー】 1943年、ナチス占領下のフランス・パリ。ロマ(※ジプシーとも呼ばれる移動型民族)のギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトは、毎晩、フォリー・ベルジェールで演奏していた。そんなある日、ジャンゴはベルリンでコンサートをするよう命じられる。

【ここに注目】 「ジプシー・スイングの父」と称されるギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトの伝記映画。キャリアの頂点にありながら、ナチスに迫害されたロマであったことから逃亡生活を選んだ第二次世界大戦中のジャンゴに焦点をあてる。本作で長編デビューを飾るエチエンヌ・コマール監督は『神々と男たち』などの脚本家。ジャンゴを『ゼロ・ダーク・サーティ』などのレダ・カテブが演じる。劇中の音楽を、日本でも人気のローゼンバーグ・トリオが担当していることにも注目だ。

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