Jホラーの巨匠に聞く、世界最恐の「日本の幽霊」Vol.2 中田秀夫(2/2)
第28回東京国際映画祭
Q:中田監督が選ぶ「日本の幽霊が怖い映画」ベスト3
1.『東海道四谷怪談』(1959)監督:中川信夫
中川信夫監督は僕にとっての心の師匠なんですけど、新東宝時代のこの作品は非常に実験的なことに挑戦しています。ただ怪談映画としての怖さでいうと、その時代でももう新鮮味がなかったと思うんですけど、新しい恐怖表現を若々しいスピリットで挑み続けていて、ドキッとさせられました。
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2.『怪異談 生きてゐる小平次』(1982)監督:中川信夫
79歳で亡くなった中川信夫監督がその2年前に撮った遺作ですけど、3人の俳優以外は虫一匹たりとも出したくないというスタンスが貫かれていて、非常に抽象的な(男女の)三角関係を描きながら、怪談映画にちゃんとなっている。怖いだけではなく、いくつになっても実験精神を持ち続けることのお手本ともいえる作品です。
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3.『牡丹燈籠』(1968)監督:山本薩夫
女性二人が歩いてくるシーンを布団の上を歩かせて撮ったという有名なエピソードがあるんですけど、その人間的な動きではない、重力が普通じゃない感じが奇妙で怖かったんですよね。そのギミックは、『リング』の貞子が井戸から出てくるところを舞踏系の女優さんに演じてもらって、それを逆回転で撮ったあの表現にもつながるものだと思います。
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オールナイトイベント「日本のいちばん怖い夜~Jホラー降臨」は28日、新宿ピカデリー スクリーン1にて19:30より上映
上映作品:『劇場霊』『女優霊』『CURE キュア』『呪怨 劇場版』
映画『劇場霊』は11月21日より全国公開
Jホラーの巨匠に聞く、世界最恐の「日本の幽霊」Vol.1 黒沢清