Jホラーの巨匠に聞く、世界最恐の「日本の幽霊」Vol.3 清水崇(2/2)
第28回東京国際映画祭
清水監督が選ぶ日本の幽霊が怖い映画ベスト3
1.『リング』(1998)監督:中田秀夫
大抵みんな「テレビから出てくる貞子が怖い」って言うじゃないですか。でも本当に怖いのは、ヒロインの息子がいつの間にか呪いのビデオを観てしまっていたという、あの瞬間なんですよね。あの描写があるからこそ、ラストの次元を超えてくる貞子の姿が怖い。テレビから出てくるだけなら、コメディーでも漫画でもアニメでもいくらでもありますから。意外に、貞子を怖いと思わせる背景が描かれていることに、あまり気付かれていないようですね。
「リング」価格:3,800円+税 発売元:KADOKAWA 販売元:ポニーキャニオン
2.『地獄』(1979)監督:神代辰巳
因果応報とか業とかをこれでもか、これでもか、という感じで突きつけてくるんです。そういったテーマが恐ろしい。ビジュアル自体は見世物小屋みたいで、今見るとチープなところもあるんですけど、風が吹いて風車が反対に回ったりする発想も凄いし、思いついたことをそのままやっているような感じも怖いですね。
「地獄」DVD発売中 価格:4,500円+税 販売元:東映 発売元:東映ビデオ
3.『メイク・ルーム』(1987※テレビ作品)監督:手塚眞
メイク・ルームに一人きりにされた女優を、髪の毛や血などの気配で少しずつ少しずつ追い詰めていく感じが怖くて。当時の僕はホラー映画なんか観られなかったから、テレビでたまたま観てしまって、「うわっ、すごいものを見てしまった」と驚きました。
※未ソフト化
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Jホラーの巨匠に聞く、世界最恐の「日本の幽霊」Vol.2 中田秀夫