略歴: 脳梗塞で死にかけ、今は杖片手に早めの余生。一応映画文筆屋。Web中心に村松健太郎の名前で書いてます。どうぞごひいきに。
近況: お一人でも映画館に行こうという気持ちになっていただけるように精一杯やらせていただきます。
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死刑囚が脱獄、顔を変えつつ全国各地に潜伏。というと過去にも実際にあったケースやフィクション作品でいろいろと見てきましたが、今作では各パートをガラッと変えて来るので新鮮味がありました。中盤以降脱獄の真意が分かってくるに至ってミステリー的な濃度も増して来て、最後まで目を離せませんでした。藤井道人監督は横浜流星と定期的に競作をしたいと言っています。来年は大河ドラマがあるのでちょっと難しそうですが、その後に期待してしまいます。このコンビまだまだみたいですね。
六人の若手演技派が集まったほぼワンシチュエーションの舞台劇にも似た作品。会話劇なので6人の技量が試されますが、6人が6人とも大健闘し、映画を最後まで引っ張ってくれます。大きな山場を乗り越えた後のいわゆる解決編がまた一ひねりあって面白かったですね。2時間弱の上映時間ということもあって一気に駆け抜ける爽快感があります。娯楽密室型サスペンスとしては十分楽しめる映画と言えるでしょう。このメンバーで舞台版があっても良いかもしれませんね。
名脚本家・倉本聰が原作&脚本を務める入魂の企画を若松節朗監督が映画化。本木雅弘と小泉今日子が大人のラブストーリーを演じます。もう一つのキーアイテムが絵画。美術界が認める物と、”根源的に美しい物”についてか語られます。石坂浩二、清水美砂、仲村トオルといった渋い面々が並びますが、中でも本木雅弘の付き人を怪しげに、そして楽し気に演じる中井貴一が見ていて楽しかったです。派手さはありませんが、濃厚な中身のある重厚な大人の最期の物語となっていました。
前作は2000年当時の若さと勢い、野心と荒々しいカリスマ性を持っていたラッセル・クロウを主演に迎えたヒーロー活劇でありましたが、その続編となった本作は群像劇とシフトチェンジしていました。前作はコンモドゥスというわかりやす悪役が設定されていたので、お話もシンプルでしたが、今回はかなり入り組んだ物語になっていて策謀劇と言った趣もあります。今作は二転三転するストーリーを追う楽しさがあります。主人公を任されたポール・メスカルは大健闘していたと思います。肉体改造も含めて重責を務め上げました。文句なしの超大作史劇でありますので、是非大画面で。
≪先行上映にて≫2部作前編『敗れざる者』でファンサービスと布石をたっぷりしておいての後編です。前編は映画一本使ってここまでやるかという感じの”思い出掘り起こし路線”でしたが、後編となるとそれも控えめに。そして、事件が解決に動き出します。が、しかし、これは“踊る”と”室井慎次”を担ぎ出してまでやることであったのか?しかも前後編2部作で。なんとも賛否を呼びそうです。まぁ確かに”踊る”の本線ではできない展開ではありました。先行上映を経て本公開を迎える時、観客はどんな感情を抱くのでしょうか?・・・最後まで席は立たずに。