山縣みどり

山縣みどり

略歴: 雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況: 最近、役者名を誤表記する失敗が続き、猛省しています。配給会社様や読者様からの指摘を受けるまで気づかない不始末ぶりで、本当に申し訳ありません。

山縣みどり さんの映画短評

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  • ハッピー・バースデー 家族のいる時間
    この家族の一員になりたいか否かで評価が分かれる
    ★★★★★

    70歳を迎える母親の誕生日を祝うために集まった家族が繰り広げる騒動が破天荒すぎて、一家離散に向かうとしか思えず、セドリック・カーン監督がどう事態を収拾させるのか最後までハラハラしっぱなし。遺産を先に寄越せと要求する長女と映画監督志望(単なるフリーター)らしい次男の無責任ぶりはもう、C・ドヌーヴ演じる母親の育児失敗としか思えない。キャッチコピーは「どんな家族でも、やっぱり愛おしい」なのだが、この家族の一員になりたいとは絶対に思えなかった。唯一まともな、長男の嫁に同情しきりだ。フランス人ならば理解できる家族関係なのかもしれず、共感できるか否かで見る人のフランス度がわかるでしょう。

  • スタントウーマン ハリウッドの知られざるヒーローたち
    命をかけないのが本当のスタント!
    ★★★★★

    ゾーイ・ベルのような有名人ではなく、画面に顔が映ることのない裏方が次々と登場し、体験談や裏話を披露する。スタントウーマンの初期映像からスタートし、女性ならではの苦労を重ね、偏見や差別と戦いながら彼女たちが映画界で確固たる地位を築いたことがわかる。自信に溢れるレジェンドたちがかっこよく、まさにバッドアスという感じ。ベテランの命の危険を感じるスタントは断るという発言が印象的だった。スタントは無謀さとは全く意味が違うのだ。またスタントウーマンの能力を認めながらも、スタントに女性を起用したがらない男性監督が多いという事実が興味深かった。いわゆる男女平等が難しい職種なのかもしれない。

  • エポックのアトリエ 菅谷晋一がつくるレコードジャケット
    好きなことを続けて実りがあるのは、才能があるから
    ★★★★★

    ザ・クロマニヨンズの分身こと高橋ヨシオの生みの親であるデザイナー、菅谷氏の仕事ぶりが感動的だ。受け取った音源を聞いてアイデアが沸いた氏が向かうのは、パソコンではなくて紙。さらには、油絵を描いたり、彫刻を作ったり。アナログ手法とも言える独特な仕事ぶりはもはや芸術家。氏が語る音楽との関わりや経歴、そしてヨシオ誕生秘話なども知らなかったことばかり! 彼をよく知るミュージシャンや音楽プロデューサー、雑誌編集者のコメントも面白く、菅谷氏の人となりをしっかり伝える映画になっている。好きなことに夢中になればいいとは思うけど、素晴らしいものを生み出すには氏のように才能がないとね。

  • ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打上げ計画
    宇宙開発は女性パワーなくしては不可能かもね。
    ★★★★★

    マーキュリー計画を縁の下で支えたアフリカ系の女性数学者たちの活躍を描く『ドリーム』に続き、インドの火星計画も女性科学者たちが支えたことがよくわかる実話ドラマ。偉業を成し遂げた関係者への敬意がこもっていう。キャラ設定をはじめ随所に映画的な脚色がなされているようだが、主婦の知恵でロケット燃料を節約するエピソードなどは、事実か否かは別として、「ほぉ~」と思わせる。また仕事と家庭のバランスや出産問題なども絡み、インドでも日本でも働く女性の悩みは共通と実感する。負け犬集団が努力と創造性でNASA流を振りかざすエリートに立ち向かっていく図式になっていて、判官贔屓な日本人の心情に訴えかける。

  • もはや猫カメラマン(実際は動物写真家)として認知されている岩合光昭が猫たちにレンズを向けたドキュメンタリーは、猫好きでなくても見る人の心の奥にぽおっと温かな火を灯す。フォーカスされるのは、北海道の乳牛牧場で暮らす多数の猫とミャンマーの湖上家屋に住む一家の猫たち。親の指導で子牛との共存を学ぶ子猫がいれば、母離れができないオス猫もいる。生まれてすぐに湖に落下して母猫を心配させる猫も成長するや見事な泳ぎを披露。それぞれの土地と自然に応じて逞しく成長する子猫の姿や猫の家族愛に見入ってしまう。中村倫也のほのぼの感たっぷりのナレーションもとてもいい。

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