山縣みどり

山縣みどり

略歴: 雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況: 最近、役者名を誤表記する失敗が続き、猛省しています。配給会社様や読者様からの指摘を受けるまで気づかない不始末ぶりで、本当に申し訳ありません。

山縣みどり さんの映画短評

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  • 新感染半島 ファイナル・ステージ
    パンデミック時代の今、学べることもあります
    ★★★★★

    謎のウィルスによる感染爆発の続きは、究極の選択を強いられる人間の苦悩。が、本当に怖いのはゾンビではなく捨て鉢になった人間というのはよくある話だし、常軌を逸した行動に走る集団は『マッドマックス』風と既視感がありすぎる!?  ゾンビだらけの国に取り残されて欲望をむき出しにする人間の姿はしかし、反面教師となるので、パンデミック時代ならではの学びも! カン・ドンウォンは軍人という設定なのでアクション演技に無理がないし、暗い状況に対応してタフに育ったと感じさせる子役もいい味を出している。ただ、もう少しヒネリが欲しかった。前作でゾンビになったキャラの登場を待ってしまったよ。

  • 燃えよデブゴン/TOKYO MISSION
    サモハンじゃないよ、ドニーだよ!
    ★★★★★

    谷垣健司監督がドニーと組むだけでも心躍るが、真っ当な香港アクション・コメディを久々に見た。ドニーのアクションは、ファットスーツを着ているのにキレが良く、いつも以上にかっこいい。しかも元祖デブ俳優サモハンへのリスペクトあり、ブルース・リーへのオマージュあり、『SPL /狼よ静かに死ね』や『導火線FLASH POINT』といったドニーの過去作のパロディや場面借りまであって、ファン垂涎。歌舞伎町や東京タワーまで作ってしまう香港映画界のパワーも実感。製作費も巨額と思える贅沢な作品だ。もちろんエンドクレジットまで見逃せない! 気分が高揚するし、明るく迎えたい2021年の始まりにぴったり。

  • ミッドナイト・スカイ
    地球の最期に現実感がありすぎて怖くなる
    ★★★★★

    汚染で死にゆく地球に残った余命わずかな科学者と人類の移住先を発見して地球に帰還しようとする宇宙船の乗組員の物語で構成されたSF調の人間ドラマだ。終焉に直面した人類はどのような行動にでるのか? 生き残ることと家族のどちらを優先させるのか? G・クルーニー演じる科学者オーガスティンの贖罪の物語であると同時に、種の存続をかけた人類の戦いでもある。テーマは壮大だが、パーソナルなエピソードがいくつも綴られるため、観客が登場人物に感情移入するのは容易い。地球の最期に現実感がありすぎて怖くなるが、希望を捨ててはいけないとも思わせた。そして、極寒の撮影に耐えた子役の頑張りに拍手!

  • ソング・トゥ・ソング
    TV伝道師の説教をまだるっこしく描くとこうなる?
    ★★★★★

    過剰な欲や野心は人間を毒してしまうというT・マリック監督が好むテーマを男女間の恋愛に当てはめ、ラブストーリー仕立てにした訓話と受け取った。M・ファスベンダー演じる男は悪魔であり、彼に関わった人々はさまざまな誘惑に踊らされた挙句に見失った道を求めて苦悩する。深い意味がありそうな風景映像や哲学的に思える会話が交わされるが、メッセージとしては胡散臭さ100%なTV伝道師の説教と大差なし。しかもまだるっこしい。オスカー女優や人気俳優に加え、P・スミスやフリーといった大物ミュージシャンが本人役で出演しているが、ただただ「ふ~ん」。

  • 映画 えんとつ町のプペル
    子供向けの絵本が原作だが、大人にも響く物語
    ★★★★

    環境汚染や独裁国家を思わせる状況にある不思議な場所で起きるファンタジックな物語は、子供向けの絵本が原作だが、大人にも響く。原作の絵も素敵だと思うが、アニメ版は愛らしい絵柄になっていて、“信じる勇気が、未来を変える”という少年少女に向けたメッセージがより伝わりやすいように感じた。声優陣もキャラにマッチしていて、本人の顔を思い浮かべることなく物語にすんなり入り込めた。冒頭のハロウィーン場面でのダンスがアニメとは思えない迫力だし、物語の一部となっている劇中歌の使い方が素晴らしい。映像も洗練されているし、アニメはどんどん進化しているなぁ。

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