山縣みどり

山縣みどり

略歴: 雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況: 最近、役者名を誤表記する失敗が続き、猛省しています。配給会社様や読者様からの指摘を受けるまで気づかない不始末ぶりで、本当に申し訳ありません。

山縣みどり さんの映画短評

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  • 劇場版『アンダードッグ』【前編】
    リングに立つことがレゾンデートルなり!
    ★★★★★

    掴みかけた栄光にしがみつく、咬ませ犬ボクサーの物語というプレミスには悲壮感が漂う。しかし、負け犬たちの戦いは情けなくも胸に響き、最後は不思議な爽快感に包まれる! 息子を失望させる崖っぷち男を森山未來が演じる時点で期待度は高いのだが、勝地涼と北村匠海も負けていない。キャラになり切るのは当然だが、しっかりと肉体改造し、ボクシング場面は迫力たっぷり。三者三様の思いを抱えてリングに立つ3人が、そこで戦うのは実は自分自身という『ロッキー』的展開に胸アツ。彼らにとっては戦うことがレゾンデートルであり、勝つのは二の次なのかも。前後編の長尺だが、1本の作品として一気見することをお勧めしたい。

  • エイブのキッチンストーリー
    料理も人種もフュージョンしちゃえばいいよね
    ★★★★★

    政治的・宗教的に異なる主張の家族に囲まれた少年エイブと家族の成長と和解という、分断が進むアメリカ人にこそ見て欲しい物語だ。家族団欒で楽しいはずの食卓の話題が政治や文化、宗教なのに驚く。少年の心もさぞや傷ついているはずで、下手すればゴームグロウン・テロリストになるかもと危惧するほど。が、今どきのアメリカンな少年の解決法はかなりポップで、見ているこちらの気分もアガる。料理の場面は楽しいし、スパイスの使い方なども興味深かった。ブラジル人シェフのフュージョン料理は説得力があるし、NYの屋台料理が恋しくなる! 展開に甘さはあるものの、人種もフュージョンしちゃえば差別意識も減少するかもと思った次第。

  • 家なき子 希望の歌声
    暗い時代に火を灯す、心温まる快作
    ★★★★

    幼いころに大好きだった児童文学が豪華キャストで映画化された。自分が捨て子と知った少年レミが紆余曲折を経て成長していく物語だが、人と人の繋がりの大切さや子供へ愛情を注ぐことがその後の人間形成を左右することなどを伝えてくれるのは原作通り。映画では主人公レミが天使の歌声を持つ少年として描かれ、才能を見抜くヴィタリス親方との擬似父子的な関係にメンター&弟子な色合いも加わり、物語に深みが増す。親方の物語も感動的だし、角が取れたD・オートゥイユが親方を優しく好演する。フランス各地の美しい自然や歌声が美しい新人M・パキンの愛らしさに心洗われる。暗い時代に火を灯してくれる映画だ。

  • ボルケーノ・パーク
    火山をナメたらいかんぜよ!
    ★★★★★

    テーマパーク化された火山島で噴火発生という展開で、『ジュラシック・ワールド2』中国版といった展開。『GODZILLAゴジラ』や『スピード』といったヒット映画を彷彿させる場面などもあり、ツギハギ観満載だ。火山学者である父娘が確執を超えて鎮火に尽力で観客に胸アツを求めているのだが、ワン・シュエチー演じる父親の不死身ぶりの方が胸アツ! 74歳でアクション演技って、すごい(多分、大半はスタントだけど)。火山鎮火の荒技に天気すらも操作する大国のパワーを感じる。S・ウエスト監督は『トゥームレイダー』的な新作も撮影済みというから、欧米人監督の中国進出の礎作品としては一見の価値はあるかも。

  • フード・ラック!食運
    鹿浜のスタミナ苑に駆けつけたくなる
    ★★★★★

    寺門ジモンの初監督作品という想像もつかない世界だったが、肉をこよなく愛する彼のこだわりと肉愛がぎっしり詰め込まれた快作だ! あることで心を閉ざした青年の人生リスタートという物語に家族愛やさまざまな人生模様をきちんと盛り込み、丁寧な仕事ぶり。ただし主人公は食運持ちというよりも肉をより美味しくいただく食育をされていたわけだけどね。随所で語られる肉好きらしい蘊蓄も大変面白く、「ほほーっ」という感じ。登場する焼肉も実に美味しそうだし、ヒロイン役の土屋太鳳がモリモリと食べるので好感度大。見ていて鹿浜のスタミナ苑に駆けつけたくなったのだが、クレジットで同店が撮影協力と知る。納得ですな。

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