山縣みどり

山縣みどり

略歴: 雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況: 最近、役者名を誤表記する失敗が続き、猛省しています。配給会社様や読者様からの指摘を受けるまで気づかない不始末ぶりで、本当に申し訳ありません。

山縣みどり さんの映画短評

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  • シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!
    こんなことがあったかも、な感動秘話
    ★★★★

    個人的に好きな舞台劇の誕生秘話らしく、非常に楽しめた。スランプ中の劇作家をめぐる物語と劇中劇を並列して進行させる『恋に落ちたシェイクスピア』的な手法で、主人公エドモンドが自身の体験を作品へと昇華していく過程が描かれる。スポンサーであるギャングが愛人の女優を主役にゴリ推しするわ、妻帯者である主人公が親友の恋人にうっかり惚れるわ。戯曲の完成前に次々とトラブル発生で、到底実話とは思えないが、「こんなことがあったかも」なノリにニヤリ。全員が舞台のオープニングに向かって邁進し、クライマックスまで疾走感たっぷり。三谷幸喜作品と言われても納得できる小洒落たテイストだ。

  • ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒
    意外に深いテーマを含む冒険アニメ
    ★★★★★

    子供から大人まで楽しめる冒険と友情のアニメで、孤独な魂の共鳴という意外にも深淵なテーマを含んでいる。主人公フロスト卿と森で孤独に生きるビッグフットはハンターと獲物だが、冒険が進むうちに二人の共通点が見えてくる。H・ジャックマンの声のせいもあって完璧に見えるフロスト卿は自己愛が強すぎてきちんとした人間関係を結べないし、ビッグフットはかなりのマヌケ君。まさに凸凹コンビで、トラブル続きの珍道中はハリウッドの伝統を踏襲している。また『デッドウッド』のT・オリファントが声を当てた悪役も登場し、西部劇ファンならたまらないはず。映像の美しさも感動ものだ! ただし、キャラの絵柄は好みが分かれそう。

  • ホワイト・ストーム
    痒いところに手が届いている香港アクション
    ★★★★★

    原題的には『レクイエム 最後の銃弾』続編だが、テーマが類似なだけ。麻薬が原因で袂を分かったヤクザ義兄弟の人生がある悲劇で交錯し、警察とアフガンギャングを巻き込む事態に発展するまでがドラマティックに描かれる。A・ラウ演じる主人公は麻薬を憎悪する元ヤクザで、降りかかる悲劇のせいで彼にぐうっと肩入れする。敵役L・クーは最近ダークな魅力を発揮していて、本作でも思い切り暴れている。振り切った感じがいい。迫力あるアクション場面が多いのも見どころの一つで、クライマックスの地下鉄での追跡劇はカッコよく、カタルシスあり! ラウチンやN・チョンのカメオ出演を期待したが、最後まで登場せず。残念。

  • THE CAVE(ザ・ケイブ) サッカー少年救出までの18日間
    救出劇の舞台裏にちょっとびっくり
    ★★★★★

    水没した洞窟に閉じ込められた少年たちの救出劇をリクリエイトした再現ドラマだが、報道されなかったエピソードが興味深い。救出に当たったケイブ・ダイバーやタイ海軍の活躍だけでなく、ボランティアたちの群像劇はタイらしさを感じるものが多い。支援を申し出た排水ポンプ製造者のために王室関係者が官僚主義を易々と打破し、お坊さんが祈祷する。宝くじ売りまで出現し、現場がお祭り騒ぎのようになるのには唖然。日本人なので不謹慎とも思うが、タイでは普通のことなのか? ユニークだ。結果は世界中が知っているので救出自体にスリルがないとはいえ、当事者が感じたプレッシャーは十分伝わってくる作品だ。ダイバー本人の出演も効果的。

  • 詩人の恋
    恋って、心の一瞬の揺れなのかも
    ★★★★

    最近ブームのBLドラマ風な胸キュンな展開を予想したら、いい意味で裏切ってくれた人間ドラマだ。ヤン・イクチュン演じる売れない詩人はじめ、彼を取り巻く人間たちのキャラ造形がとても共感度が高いのもポイント。自身の存在意義が揺らぐなかで誰かを必死で守りたいと思ったり、孤独に怯えて誰かに愛されたりと願ったり。その気持ち、なんとなくわかるよ。また人生に迷った男たちとは一線を画して、地にしっかりと足をつけた詩人の妻のたくましさも印象的だ。人生に何が必要なのかをわかっていれば、歩みを止めず前進できるのだね。恋って、迷いというか、心の一瞬の揺れかもと思わされました。

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