山縣みどり

山縣みどり

略歴: 雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況: 最近、役者名を誤表記する失敗が続き、猛省しています。配給会社様や読者様からの指摘を受けるまで気づかない不始末ぶりで、本当に申し訳ありません。

山縣みどり さんの映画短評

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  • ミッドウェイ
    あくまでもアメリカ視点のミッドウェイ海戦
    ★★★★★

    日本軍が劣勢となる原因だったミッドウェイ海戦を豪華スターで再現している。もちろんエメリッヒ監督好みのスペクタクルな特撮映像も迫力ありだ。浅野忠信やトヨエツも頑張ってるし、それぞれ見せ場も用意されている。とはいえアメリカ視点なので、大日本帝国海軍の描写は甘く、一丸となって「勝ち」にきたアメリカ海軍やドッグファイトの描き方とは天地の差アリ! 以前にも描かれた史実ものなのでデジャブ感は否めず、「飛龍」艦長の最期の覚悟にもノレず。本筋とはあまり関係のない、中国マーケットを意識したドゥーリトル中佐の不時着やジョン・フォード監督がJ・ミリアスもどきの映画屋ぶりを発揮する場面が印象に残った。 

  • mid90s ミッドナインティーズ
    ジョナ・ヒルの手堅い監督デビュー
    ★★★★★

    コメディから出発し、脚本を書いたりしながら、着実に演技の幅を広げてきたジョナ・ヒルらしい、手堅い監督デビュー作だ。スケボー少年だった自身の思春期のもやもやした思いや大切にしたい友情、仲間内のマウンティング、初体験や家族関係などなど。大人の階段を上る少年が味わう喜びや悔しさ、恥ずかしさといった瑞々しい感情が溢れ出す。主演のサニー・スリッチは性的な場面が気の毒なほど幼い感じだが、背伸びしたいスティービー役を感情豊かに演じ切った。スケボー仲間は全員、プロのスケートボーダーというが、演技も玄人はだしで驚くほど。特にプロになる可能性を秘めたレイ役のN・スミスがいい味を出していた。

  • 世宗大王 星を追う者たち
    “あったかも”な歴史ドラマはもっと自由でいいよ。
    ★★★★★

    世宗大王が乗った輿が壊れ、土下座した家来たちが「殺してください」と絶叫する冒頭から陰謀の匂いがプンプン。聖君として今なお韓国で讃えられる世宗大王とお抱え科学者(?)だったヨンシルの友情物語ではなかったのか? 副題から天体観測と地理計測で暦を作る『天地明察』的な苦労話もきっと描かれると思い込んでいたら、オヨヨ。陰謀渦巻く王宮の闇と民を思う名君のジレンマは韓国の歴史ドラマの常で、もうひとひねり欲しかった。世宗大王が作ったハングルをめぐる攻防も曖昧で、製作側が史実という枠を壊せなかったのが残念。ハン・ソッキュ&チェ・ミンシクの競演が濃すぎて、ややBL風なのが今っぽい。

  • 行き止まりの世界に生まれて
    14歳のボクが大人になるまで
    ★★★★★

    寂れゆくアメリカ中西部に住むスケボー少年の成長を追いながら、人種問題や家族関係、貧困、家庭内暴力といった現代人が直面するさまざまな問題を提起する。14歳の時に手に入れたカメラを回し続けたビン・リューが後に監督になるのも運命だったのだろう。監督ビンは、親友ザック&キアーと彼自身が通過した思春期とそれぞれが抱えてきた重荷にしっかりと向き合う構成にしていて、彼らが漏らす本音が切ない。少年時代の屈託のない笑顔と厳しい現実に疲れた青年の表情のギャップが胸に迫るが、暗さはない。希望を感じさせる作品になっている点がとても好ましい。

  • ようこそ映画音響の世界へ
    映画を耳で楽しむ方法を教えてもらいました
    ★★★★★

    映画ファン必見のドキュメンタリー! 無声映画からトーキーへ移行し、音響が重要視されるに至った歴史や音響を支えてきた専門スタッフの体験談は、映画の見方を変えてくれる。映画会社のストック音響の時代を経て、ルーカスやコッポラのような音響にこだわる監督世代の誕生で構築された音響システムがいかに映画に深みをもたらしたのか? 様々な映像を使っての明快な解説を聞き、まさに目から鱗が落ちる思い。音の作り方やトレンドの影響、無音のパワー、さらには巨匠の音響観も興味深い。次回、映画館に行く時はまずはストーリーや演技を楽しみ、二度目は音響に注目しながら鑑賞するという楽しみ方にトライしたい。

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