山縣みどり

山縣みどり

略歴: 雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況: 最近、役者名を誤表記する失敗が続き、猛省しています。配給会社様や読者様からの指摘を受けるまで気づかない不始末ぶりで、本当に申し訳ありません。

山縣みどり さんの映画短評

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  • ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へ
    自身の言葉で語る政治家の新鮮で頼もしいこと!
    ★★★★

    公務員給与の大半を寄付し、慎ましく生活したことで話題になったムヒカ元大統領。コメディ『ハッパGoGo』に本人役で出演するなどお茶目なところがある彼の来し方、政治思想の成り立ち、そして人生観を丁寧に伝えるドキュメンタリーだ。哲学や文学に裏打ちされた人生哲学や幸福感は、消費主義に疲弊した私の心に深く突き刺さり、画面に向かって頷くことしきり! 貧乏なのは心が貧しいからと猛反省。田部井一真監督の素直な疑問から導き出されたムヒカが考える日本人観にも考えさせられた。日本の国会答弁を聞くにつけ白けた気分になるし、ムヒカのように自身の言葉で語る政治家の登場を待つばかり! 

  • 在りし日の歌
    国策に翻弄された庶民の傷心と赦しに涙
    ★★★★★

    一人っ子政策が生んだ悲劇に翻弄される二家族の対比を軸に中国の変化を体感した。監督の語り口が非常に巧みで、長尺も気にならない。時代をジャグリングすることで主人公ヤオジュン&リーユン夫妻の心に刻まれた傷を鮮明に蘇らせる構成も効果的だ。終盤には一種の答え合わせも用意されていて、ヤオジュンの義兄弟とも言えるインミン夫妻と息子の後悔に号泣。人間が心の拠り所とすべき情と愛、贖罪と赦しの普遍性が感動的だ。国策批判と受け取れる場面も多く、中国の映倫(?)もよく通したなと驚いた。食いしん坊なので、温かな家族の象徴ともいえる食卓場面に目が釘付け。饅頭や揚げピーナッツが食べたくなること間違いなし!

  • 悲しみより、もっと悲しい物語
    何が起こるかわかっていても号泣するはず
    ★★★★

    クォン・サンウがその涙力を存分に発揮したラブストーリーをぽかぽか男子リウ・イーハオでリメイクは意外だが、やっぱり泣ける。前半は気恥ずかしい場面も多いし、後半は主役Kとクリームのエクストリームな行動に突っ込みを入れもした。が、それも愛する人を思うが故の純愛と納得させるG・リン監督の演出が巧みだ。A-Linが本人役で登場し、物語の起点となる贅沢な演出にも驚かされた。エクボと笑顔が魅力のリウが悲しみを秘めたKのキャラをしっかりと作り上げていて、違和感無し。結婚式場面の彼の涙力に心動かされ、号泣。Kの想いを汲み取るクリーム役のI・チェンもまたチャーミングで、星1つ追加。

  • ポップスター
    セレブはつらいよ、なんでしょうね。
    ★★★★★

    スターの葛藤や名声依存をスタイリッシュに描く異色ドラマ。コロンバイン高校乱射を思わせる事件や世界同時多発テロなどをヒロインの人生に絡ませるが、主軸は幸運によってスターの階段を登った少女の選択あれこれ。うっかり妊娠や飲酒問題を抱えたヒロイン像は、B・スピアーズに代表される「人生山あり谷あり」アイドルの揶揄? W・デフォーのまことしやかなナレーションが妙におかしい。ギャクなの? 脱アイドル俳優を果たしたブレイディ・コーベット監督がL・V・トリアー監督やM・ハネケ監督の影響を受けているのは明白だが、意地悪度が薄く、インテリぶらない作風は好感が持てる。チョイ役のダメ美男子は、L・ニーソンの息子でした。

  • 白い暴動
    分断に反対しないのは容認と同じことと猛省!
    ★★★★

    タイトルからザ・クラッシュのドキュメンタリーと思い込んでいたら、正しい志のカルチャー・ムーブメントの実録。経済不安から生まれる移民排斥機運にノーを突きつけた芸術家と仲間たちのRAR(差別反対)活動や功績が当時の映像や当事者の証言で蘇り、まさに胸アツ! 雑誌記事やフッテージ映像、アニメーションなどを織り混ぜた映像は、同人誌やパンフレットの配布という草の根運動で拡大したRARの活動を彷彿させ、活動に対するR・シャーの敬意を感じる。まさに今、世界中で起きている分断に反対する勇気を与えてくれる快作だ。SNS時代の今なら炎上必至のE・クラプトンやR・スチュワートの発言に驚愕。ファンが減るな。

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