山縣みどり

山縣みどり

略歴: 雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況: 最近、役者名を誤表記する失敗が続き、猛省しています。配給会社様や読者様からの指摘を受けるまで気づかない不始末ぶりで、本当に申し訳ありません。

山縣みどり さんの映画短評

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  • ザ・ピーナッツバター・ファルコン
    シャイア・ラブーフの演技力を再確認しました
    ★★★★

    ひょんなことから一緒に旅することになった青年、ザック&タイラーの兄弟愛的な友情がじんと心に沁みた。二人が抱える事情を過剰に説明せず、新たな人生に向けての道のりに焦点を当てた監督の演出が心地いい。タイラーとケースワーカーの間で交わされるザックへの態度をめぐるやりとりなど気づかされる部分も多く、ユーモラスでありながら真面目な作りとなっている。ザックが憧れる元プロレスラーを演じるトーマス・H・チャーチら個性派俳優がずらりの贅沢さだが、タイラー役のシャイア・ラブーフの繊細な演技がひときわ光る。心を許せる相棒を得たことで、彼の荒みが徐々に消えるのがしっかりと伝わる。本当にうまいな~。

  • プロジェクト・グーテンベルク 贋札王
    犯罪アクションにアイデンティティ問題を盛り込んだ快作
    ★★★★

    チョウ・ユンファ&アーロン・クオックの競演でぐいぐい進めていく香港ノワールで、銃撃戦や爆発シーンも多い。謎の犯罪組織のボスを演じるユンファ様はちょっと増量したけど、アクション演技では相変わらずの切れを披露。かっこいい。アーロン演じる贋札製造者の独白という設定なので回想シーンとなる部分が多いが、脚本に惹きつける力があるので集中力が途切れることはない。さすがは『インファナル・アフェア』脚本家フェリックス・チョン! 犯罪アクションというだけでなく、犯罪に至った心理や背景、さらには愛され認められてこそ自我が確立できると思わせるアイデンティティ問題も盛り込まれ、映画2本を見たくらいの満足感。

  • ハスラーズ
    JLoのダイナマイト・ボディと姐さんぶりに目が釘付け
    ★★★★★

    女を性オモチャ扱いするウォール街の男どもに鉄槌を食らわせた女性の実話で、快哉を叫ぶか否かは見る側のモラル次第。でもジェニファー・ロペス演じる人気ストリッパーがやばい女たちをまとめ、鮮やかな手口でリッチマンをカモる過程の撮り方は『オーシャンズ』シリーズばりにスリリングで魅力的。巨尻ブームを牽引したJLo が惜しげもなく披露する、50歳とは思えないダイナマイト・ボディもまさに圧巻。C・ウー演じる新米ストリッパーを交えた同僚との擬似家族のような関係性も女性ならば共感必至だろう。大胆に脱いだ元ストリッパーのカルディBとボディ・ポジティブの見本でもあるリゾは、もっと見せ場があってもよかったかな。

  • 淪落の人
    「人生は、そう悪いものじゃない」と思える人間賛歌
    ★★★★

    半身不随となってやさぐれた中年男チョンウィンとフィリピン人家政婦エヴリンが心を通わせ、「人生は、そう悪いものじゃない」と気づくまでを見守る監督の視線の優しさが伝わってくる作品だ。喧嘩もするし、不機嫌にもなる二人が徐々に互いを理解していき、やがて自分でも気付いていなかった側面に気付く過程に説得力あり! 心に染みる。香港の出稼ぎ女性をポジティブに描いた点も新鮮だ。ノーギャラ出演を快諾した大物俳優A・ウォンの繊細な演技は感動的で、香港電影金像奨主演男優賞受賞も納得。彼を援助する友人を演じたサム・リーがいい感じのおっさんになっていたのは、うれしい驚き。ラム・シュー兄さん的立ち位置を目指して欲しい!

  • AI崩壊
    可能性がないとは言いきれないAI暴走
    ★★★★★

    ガン再発の可能性を調べるためにAI使用が検討されているらしく、医療用AIが暴走したら怖いなと思わせるドラマだった。少子高齢化への憂慮や政治不信も上手に背景に取り込みつつ、親子愛と人類愛に帰着させる脚本もよくできている。近未来の話なので、昆虫サイズのドローンなどの“開発されそう”な小道具も面白い。警察組織の新旧対比はお約束っぽいし、大沢たかお演じる主人公の娘の行動に「はぁ?」となる部分があるにせよ、製作側が発信するメッセージはきちんと伝わる。AI脅威論について考えさせられたし、結局はプログラミングする人間の資質が問われるんでしょうね。

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