山縣みどり

山縣みどり

略歴: 雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況: 最近、役者名を誤表記する失敗が続き、猛省しています。配給会社様や読者様からの指摘を受けるまで気づかない不始末ぶりで、本当に申し訳ありません。

山縣みどり さんの映画短評

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  • パラサイト 半地下の家族
    格差社会をシニカル&コミカルに切り取った快作
    ★★★★★

    家族構成は同じでも全てが真逆の二家族の人生が交錯したことで起こる悲喜劇から韓国が直面する格差社会が浮かび上がる。と書くとめちゃシリアスだが、ユーモアたっぷりで、先が読めない展開やアクション、ラブもあり。裕福なパク家と貧しいキム家それぞれを欠点も利点もある人間として描いていて、見る側もそれなりに思い当たることがあるので、どちらの家族にも共感できる。ポン・ジュノ監督らしいショッキングな場面もあるし、人間の沸点ってそれぞれと実感するはず。スメハラって、伝え方が本当に難しいよね。ソン・ガンホとイ・ソンギュンは安定のうまさだし、ポン監督のミューズ(?)イ・ジョンウンが演じる家政婦がいい味出してる。

  • 燃えよスーリヤ!!
    「三つ子の魂百まで」という言葉が頭に浮かびました
    ★★★★★

    祖父から与えられたアクション映画ビデオで純粋培養された主人公スーリヤが精神的に幼く、見ていてが心配になるほど。水でエネルギーチャージというのもちょっとバカバカしいが、それこそがこの映画の魅力だ。可愛くてタフな幼なじみとスーリヤの関係にもロマンティックさがなく、インド映画には珍しいかも。ただし主人公たちが繰り広げるアクションに集中できるのは、かなりいい。ふたりとも体を張っていて、潔さを感じる。アクション的にはカンフーだけど、スーリヤをインスパイアしたのが片足のない空手マンの百人組手というあたりがグッときた。ブルース・リーでもジャッキー・チェンでもなく、大山倍達が原点なんだね。

  • サイゴン・クチュール
    ベトナムは映画界もドイモイね!
    ★★★★★

    経済や社会思想の転換となったドイモイ政策でベトナムが世界に門戸を開いて20数年、映画界も刷新されたと感じる女性映画だ。ヒロインの自分探しが軸で、そこに『プラダを着た悪魔』的な女性同士のマウンティングやアオザイに代表されるベトナム文化のちょっとした見直しが加わる。ファッション業界が舞台なので、60年代と現代のファッション比較が楽しめる上、トゥイ・グエンが手がけたアオザイの美しいこと! 惚れ惚れする。美人コメディエンヌのズーン・ラン・ゴックがミス・ベトナムを鼻にかけているヒロイン、ニュイをコミカルに熱演!

  • テッド・バンディ
    Z・エフロンの脱アイドル演技に座布団(星)3枚!
    ★★★★★

    いまだに何人殺したか謎な連続殺人犯の実話だが、視点は恋人だった女性リズのもの。なので、凶悪犯の意外にも普通な側面が描かれ、それが逆に恐ろしさを生み出す。人間の本質とは傍目では決して分からないのかもしれない。底知れない闇に生きたテッド役のZ・エフロンは、これでアイドル卒業だろう。チャーミングで口が達者な殺人犯を実に魅力的に演じていて、全米の女性が熱狂したのも納得なのだ。中盤で視点がぶれるのはきっと、監督自身がテッドの魔性にハマったのだろう。テッドが殺人を犯した理由もリズを殺さなかった理由も最後まで判明せず、犯罪者の心理って凡人には理解できないのだなと実感。

  • THE UPSIDE/最強のふたり
    主演男優二人の相性バッチリ! お国柄の違いも楽しい
    ★★★★★

    大ヒットしたフランス映画をコンパクトにリメイクしたことで、B・クランストン&K・ハートという二大人気スターの魅力を全面に押し出す結果になっている。ミスマッチな二人が互いの良さを引き出す設定なので、二人の相性が良いのは重要だ。富豪の個人秘書を演じるN・キッドマンのオリジナルと異なる役割りもプラスに感じた。基本的な展開は同じだが、ハート演じるデルの家族問題と主人公と文通相手の関係はアメリカ人らしい現実味があり、見比べるとお国柄がわかるはず。アレサ・フランクリンの音楽の使い方がすばらしく、最後の方で思い切りニヤリ!

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