山縣みどり

山縣みどり

略歴: 雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況: 最近、役者名を誤表記する失敗が続き、猛省しています。配給会社様や読者様からの指摘を受けるまで気づかない不始末ぶりで、本当に申し訳ありません。

山縣みどり さんの映画短評

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  • ドクター・スリープ
    ホラー要素のある人間ドラマでした
    ★★★★★

    S・キングが嫌悪した『シャイニング』続編にGOサインを出すとは思わなかったが、キューブリック版に敬意を払いつつ、原作をリスペクトした作品となっている。主人公ダニーは事件のトラウマを抱え、父親と同じアルコール依存症に苦しむ設定で、哀れそのもの。特殊能力などやはり、呪いでしかないの?と思ってしまうが、ダニーと彼と絆を結ぶアブラが能力と折り合いをつけるまでが物語のメインと言える。ホラー要素のある人間ドラマというテイストで、とても見やすい(ただ長すぎる)。特殊能力を糧とする謎の集団を率いるR・ファーガソンが魅惑的だが、新星カイリー・カランの輝きはベテラン陣を超えた。

  • スーパーティーチャー 熱血格闘
    子供の可能性を信じる熱血漢、ドニー先生に教わりたかった
    ★★★★

    ドニー・イェンが教師に扮し、問題を抱えた生徒やその家族を体を張って更生させていく姿が痛快。貧困や受験戦争、移民差別や男子優遇な風潮、土地&住宅問題と香港が抱える社会問題にも触れていて、ドニーの社会派としての側面ものぞく。アクション演技だけでスターになったわけではないのだ。子供の可能性を信じる教師がいれば、子供もその信頼に応えようと頑張るという図式を単純すぎると思い人もいるかもしれないが、その単純さにこそ真実があると感じた。ドニー先生に教わりたかったな。

  • オーバー・エベレスト 陰謀の氷壁
    アクションとファンタジーが入り混じる中国的大作
    ★★★★★

    ある陰謀に巻き込まれた山岳レスキューチームの必死の攻防が描かれ、役所広司が男気のあるリーダーを力強く演じている。雪山でのアクションも役者たちには相当にハードだったはずで、体当たり演技には拍手を送りたい。が、いかんせん物語が大雑把。陰謀のスケールが大きい割には悪党がショボく、悪に手を染めた理由にもほとんど説得力がない。さらにヒロイン主体の物語となる後半にファンタジー色が濃くなり、拍子抜けというか不思議というか……。ファンタジー・アクションを世界中から期待されている中国映画界の本気を見せたということか。

  • ベル・カント とらわれのアリア
    ストックホルム症候群というわけじゃない共感性の謎
    ★★★★★

    ペルーの日本大使館人質事件を彷彿させる状況下で、テロリストと人質が心を通わせる展開に複数の恋が加わったロマンス小説のような物語。J・ムーアや渡辺謙といった大物役者がそろっているが、ドラマ自体が平板でわかりきった結果への盛り上がりに欠ける。音楽愛や学びたいという向上心、若きテロリストに対する親心めいた感情がとても人間的なのはわかるが、事件が起きた官邸で芽生えるのはストックホルム症候群というわけじゃない共感性は謎で、当事者でないと理解できないのかもしれない。加瀬亮が輝いていたが、E・ジルベルスタインの無駄遣いには心底驚いた。

  • エンド・オブ・ステイツ
    不死身の男も第3弾ではやや息切れ
    ★★★★★

    身を呈してアメリカ大統領を守るシークレット・サービス、マイクが孤軍奮闘する定番シリーズ。世界戦争にも勝利確実と思われるハイテク武器を使う民間軍事会社やベトナム戦争でPTSDを発症していたマイクの父親が登場し、物語をふくらませたのはいい。特にN・ノルティ演じる父親は笑いを加える貴重な存在だ。でもマイクは以前ほど動きのキレがよくないし、パワー不足が否めないのは、主演J・バトラーの寄る年波によるせいでしょう。個人的な意見だが、現大統領が守る価値を見出せない存在なので、シークレット・サービスの意義自体が揺らいでいるのもマイナスに働いた。

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