山縣みどり

山縣みどり

略歴: 雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況: 最近、役者名を誤表記する失敗が続き、猛省しています。配給会社様や読者様からの指摘を受けるまで気づかない不始末ぶりで、本当に申し訳ありません。

山縣みどり さんの映画短評

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  • 108~海馬五郎の復讐と冒険~
    勘違いな夫&悶々妻のとんでも騒動の結末や?
    ★★★★

    松尾スズキのすべてを味わえるといっても過言ではない、珍品めいた傑作。妻に浮気された男が復讐のためにバカバカしくも壮大な計画を実行に移すのだが、デリヘルやソープではおっつかず、過激に!?  笑いが先に立って、エロくないのが松尾流か。キャラ設定に自虐が見えるし、盟友の秋山菜津子はじめとする脇キャラがまた素晴らしい笑いを提供する。売れない女優役の堀田真由のねっとり感もいい! そして驚いたのは、松尾が引き出した中山美穂の新たな側面。夫婦関係への不満からキモいダンサーのおっかけと化し、悩む美人妻をセクシーに好演する。勘違い夫&悶々妻のとんでも騒動のオチは内緒だが、見終わった時に切ない気分になるかも。

  • ロボット2.0
    インドが抱える環境問題を絡ませた点を買います
    ★★★★★

    前作の終わりとはち整合性が取れないけれど、環境破壊というインドが抱える大問題をしっかりと絡ませた野心作だ。ファンタジー要素も加わっている。スーパーな能力を持つ設定のチッティの、ロボットとは思えない動きや決めポーズがユルユルで、失笑を誘うのが見どころだ。ラジニカーントが真面目に演じているのも愉快だ。特撮は前作よりもパワーアップしているし、人類絶滅を目論む悪にも一分の理を与えるなど単なる勧善懲悪に陥らないのは脚本も書いたシャンカル監督の実力だろう。感情回路のないチッティと『パッドマン~』で注目度が上がったA・クマールの情感たっぷり演技を対比しながら見るのもおすすめ。

  • T-34 レジェンド・オブ・ウォー
    戦車の決闘に血湧き肉躍る!
    ★★★★

    独ソ戦争を題材とした痛快アクションであり、ナチスがソ連軍捕虜を戦車訓練のターゲットにしたという史実にアイデアを得た作品とはいえ、ゲーム感覚が濃厚だ。戦争を知らない若い世代にアピールするロマンスや友情といった要素を盛り込んだだけでなく、愛国心を仰ぐような側面もある。戦争史上最も多数の死亡者が出た戦争なのだが、ソ連軍捕虜の扱いなどにはさほど言及しないのは悲惨さを薄めるためか? T-34やパンツァーといった戦車の機能に関しては知識がないので現実的なのかどうかは不明だが、戦車アクションは画期的でパワフル。「マジですか?」という場面も多々だし、クライマックスでの戦車の決闘には血湧き肉躍った!

  • アダムズ・アップル
    信じる者は救われる? ブラック・コメディになったヨブ記
    ★★★★★

    信仰心篤く、高潔であるがゆえにサタンに目をつけられ、散々な目に遭うヨブ。旧約聖書に書かれた彼の物語にインスパイアされた人間ドラマは「えっ、それアリ?」な設定や展開でグイグイ引っ張る。社会から少しはみ出した者たちを導くはずの牧師が実は迷える人間という不条理さ!? 右頬を殴られると左頬も差し出す牧師をM・ミケルセンが超絶ポジティブに演じるので危ない人間にしか見えず、暴力的なネオナチがまともに見えてくる妙味。皮肉な風刺も効いたブラック・コメディだが、後味はすごぶる爽やか!

  • マレフィセント2
    おとぎ話だけど、またもや男性は刺身のツマでした
    ★★★★★

    前作で役立ずぶりを露呈したフィリップ王子とオーロラ姫が結婚を決意する続編は、世界情勢を反映させた壮大なドラマに発展する。マレフィセントの素性が明らかになり、妖精たちが窮地に陥る!? 最新技術を駆使した映像は華やで、アクションは前作以上にかっこいい。が、目玉はA・ジョリーとM・ファイファーのビッチ合戦が素晴らしい。恋で目が眩んだオーロラの決断も気になるが、激昂するマレフィセントVS硬軟織り交ぜて他人を操る女王の勝敗の行方にハラハラ。今回も男は刺身のツマ的な存在でしかない。さらに、自分と違う人やユニークな他人をリスペクトして受け入れれば、和をもって貴しとなすというメッセージに胸キュン。

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