山縣みどり

山縣みどり

略歴: 雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況: 最近、役者名を誤表記する失敗が続き、猛省しています。配給会社様や読者様からの指摘を受けるまで気づかない不始末ぶりで、本当に申し訳ありません。

山縣みどり さんの映画短評

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  • ロイヤルコーギー レックスの大冒険
    可愛いけれど、盛り込み過ぎな感じ
    ★★★★★

    エリザベス女王の愛犬コーギーにアイデアを得た物語には、宮廷内の権力争い(?)やアメリカ大統領&SNS熱愛へのディス、誰からも求められない存在であることの悲しさ、アンチいじめ、婦唱夫随の秘訣といったテーマが多すぎて、盛り込み過ぎな感じ。絵柄はとても可愛いし、妻の愛犬ファーストにうんざりなフィリップ殿下の愛読書が「犬の殺し方」なんてジョークも効いているけれど、監督が本当に伝えたかったことは何? 主人公レックスが王室のトップ犬と知って急に色香を振りまく雌犬(ビッチ)の扱い方、旧態依然とした政略結婚システムをよしとしたエンディングにも疑問が残った。

  • アップグレード
    AIに抵抗を抱くかも、なサイバー・スリラー
    ★★★★

    車の運転をはじめとするかなりの労働をAIがこなしてくれる時代に起こるかもな人間VSクノロジーが軸になっていて、利便性と背中合わせの危険性に警鐘が鳴る。といっても、創造性豊かなガジェットや痛快アクションを楽しむのが優先のサイバー・スリラーであり、難しく考える必要はなし。ある手術によってスーパーな相棒(?)を手に入れた肢体麻痺の男が愛妻を殺した犯人を追うのだが、『ヴェノム』を思わせる関係が意外な方向に転ぶのが実に新鮮! 主演のローガン・M・グリーンがT・ハーディに見えてくるのも仕方なし。普段はアシモフのロボット工学三原則など意識しないけど、こういう映画を見るとAIに懐疑心を抱き始めるね。

  • 真実
    大物フランス女優競演でも日本映画のテイスト!
    ★★★★★

    カトリーヌ・ドヌーブがいわゆる大女優を演じる母娘ドラマだが、毒舌で自分勝手なヒロインや彼女に複雑な思いを抱く娘、女優に忠実なエージェントといったキャラ設定が非常にわかりやすい。ちょっと少女漫画風。母娘が愛した女優(故人)をめぐる思い出の相違や、故人の再来とされる新進女優と大女優が腹を割って話す下りなど挟まれる逸話も日本人の心にグッとくる。真実は一つじゃないという『羅生門』的な感覚だ。しかも子役以外の登場人物はみな思っていることを心に秘め、言外の意味を読み取らせようとする。大物フランス女優競演でも日本映画のテイストを維持するとは、さすがは是枝監督! 山田五十鈴と嵯峨三智子で作ってほしかった。

  • 英雄は嘘がお好き
    コメディ演技でメラニー・ロランのチャーミングさが際立つ
    ★★★★★

    妹のためを思って戦地の婚約者のふりをして書いた嘘の恋文が巻き起こす大騒動を描く、ある意味クラシックなラブコメ。はっきり言って、最初から最後まで予想通りだし、ギャグも定番な感じ。ただし、メラニー・ロランのコメディ演技と彼女が着こなすドレスやアクセサリーは必見! もともとちょっとした表情の変化でキャラクターの心情を見事に表現する女優だが、今回は表情が目まぐるしく変わる上、大げさな喜怒哀楽がチャーミング。時代を先取りしたフェミニスト発言も知的な彼女だから説得力ありだし、いい加減な口だけ男を演じたJ・デュダルジャンと好対照だ。

  • イエスタデイ
    もしも世界からビートルズが消えたなら?
    ★★★★

    ビートルズのヒット曲のさわりしか流れないけれど、これはD・ボイル監督&R・カーティスからビートルズに当てたラブレター! でもって、ポップ・カルチャーや音楽がいかに我々の人生を彩り豊かにしてくれるかを再確認させてくれる素敵なコメディだ。主役のH・パテルは歌唱力バツグンなだけでなく、コメディ演技も絶妙。でも「おや!」と思わせたのがミュージシャン、E・シーランの好演。主人公がコピー歌手(?)とは知らずに自身の負けを認め、あまつさえ自虐的セリフで締める潔さにリアルな存在ならではの貫禄がにじむ。『GOT』のゲスト出演時のディスに負けず、役者業を続けた根性も買います。

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