山縣みどり

山縣みどり

略歴: 雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況: 最近、役者名を誤表記する失敗が続き、猛省しています。配給会社様や読者様からの指摘を受けるまで気づかない不始末ぶりで、本当に申し訳ありません。

山縣みどり さんの映画短評

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  • 無双の鉄拳
    愛妻家なドンソク兄貴も素敵。
    ★★★★

    借金返済に追われながらも仲良く暮らす夫婦が凶悪な犯罪者に目をつけられてしまう!? ピ~ンチと思えないのは、誘拐された妻を探す愛妻家の夫がマ・ドンソクだから。元々ヤンチャだった設定で、裏社会のツテをたどっての犯罪者探しや腕にものを言わせる捜査も兄貴なら大丈夫と安心して見ていられる。ぶっとい二の腕はもう黄門様の印籠だし、立ち回りも派手でよし! 弟分や仲間となる探偵のコミックリリーフにもニヤリ。が、本作のキモは、常軌を逸した犯罪者。無敵のドンソク兄貴と伍する悪役をキム・ソンオが怪演した。「韓流人気で韓国女性の需要が高い」としての異常な犯罪は、人気スターが性接待で逮捕される状況でリアリティ増し増し。

  • クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅
    人生にも国境にも壁は不要! 今の時代に必要なおとぎ話
    ★★★★

    貧しい生い立ちのインド人青年アジャがドジと運に導かれてヨーロッパを転々としながら、本当の居場所を見つけるまでを軽妙に描くおとぎ話調コメディ。ヨーロッパで増加中の移民問題を扱っているし、差別的な景観や凶悪なギャングも登場するのに悲惨さはゼロ。危険な状況でも必死で切り抜け、あけっぴろげともいえるオープンな心で道を切り開くアジャの前向きさに元気をもらえること確実。演じるダヌーシュの茶目っ気が効いている。彼とベレニス・ベジョとのダンスがとてもかっこよく、真似して踊りだしたくなったほど。本人の意図とは裏腹に国境を軽々と超えるアジャは、寛容を忘れかけた時代に必要な存在だとつくづく思った。

  • 神と共に 第二章:因と縁
    過去のしがらみも絡む冥界ワールド
    ★★★★★

    <蘇り>というゴールを目指す冥界のゲーム的な仕組みを描いた第一章が進化し、死者の弁護役である使者の過去と現世での活躍という3次元での物語が交錯する構成。前作のヒットによる予算増加がはっきりとわかる豪華セットで、CGIにも力が入っている。愛する人を守る、弱者に救いの手を差し伸べたいという人間の情が不幸にも生んでしまった非人間的な行為、それによる因果応報は日本人の心にもズシンと響く。元使者が守る幼子に読み聞かせる昔話という形で場面を切り替えるので展開に無理がない。さらには悲しい因果応報から生まれる温かな絆が描かれるので、またまた涙。韓流らしさを素直に受け入れる体質になってきた。

  • パドマーワト 女神の誕生
    インドの黒澤+ヴィスコンティな映像美にやられた
    ★★★★

    文学的で壮大な歴史大作を得意とし、絵画的な映像美が特徴のサンジャイ・L・バンサーリー監督。迫力ある戦闘シーンや心の機微を表現する役者の表情の捉え方などを見てもインドの黒澤と呼ばれるのは納得だ。しかも本作の豪華絢爛さは耽美な世界観を貫いたヴィスコンティに近く、荘厳な宮廷や華麗な衣装、炎の使い方などため息が出るほど素晴らしい。群舞シーンもボリウッド映画お約束というより、キャラの心情を表現するための振り付けで見応え十分。王妃の美貌が小国の運命を危うくする展開は実話ベースの創作だが、王と王妃の出会いや自画自賛が多い狂王と邪心溢れる宦官との妖しい関係性など文化的にも興味深い逸話が多かった。

  • ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた
    ユニークでリアル、そして心温まる父娘ドラマ
    ★★★★★

    お洒落なブルックリンに住むヒップスターのシングルファーザーと娘の物語だが、「しゃらくせぇ」感は皆無。登場人物はみないい人だし、父娘に起こる出来事も普通に誰にでも起こり得ることばかりでリアル感たっぷり。ミュージシャンになる夢を不完全消化したまま大人になりきれてない父親をN・オファーマンが好演していて、娘役のK・クレメンスとの掛け合いのタイミングに本物の親子感が!! 娘の恋愛の描き方も時代に即していて、好感度高い。父娘が作った設定の歌も耳に残るし、サントラが欲しくなった。T・ダンスンが酒場オーナー役で出演していて、監督はドラマ『チアーズ!』のファンだったのかもしれない。

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