山縣みどり

山縣みどり

略歴: 雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況: 最近、役者名を誤表記する失敗が続き、猛省しています。配給会社様や読者様からの指摘を受けるまで気づかない不始末ぶりで、本当に申し訳ありません。

山縣みどり さんの映画短評

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  • スノー・ロワイヤル
    数え切れない死体数と意外な凶器。雪山は怖いよ。
    ★★★★★

    『96時間』でL・ニーソンのファンになった人なら満足のアクション。息子を殺害された真面目男の復讐劇に麻薬組織の抗争が絡み、死体がどんどん積み上がる展開にはしかも、タランティーノ風味もある。ギャングが馬鹿げたあだ名で互いを呼び合い、壮絶なはずの銃撃戦に「えっ?」となる瞬間があり、麻薬王が妙にストイック。不要と思えるサブプロットもあるが、H・P・モランド監督が自作をリメイクする上でカットしなかったのだから、このひっかかりこそ本作の妙なのだろう。思い返すと殺人を悔いもしない主人公の人間像やL・ダーン演じる主人公の妻の行動には疑問が残るが、観客をいちいち立ち止まらせない監督の力技がすごい。

  • アラジン
    ガイ・リッチー監督って器用ですね!
    ★★★★★

    ディズニー・アニメの実写化だが、W・スミス演じるジニーの圧が強いのは、ブロードウェイ・ミュージカル版寄りだからか。ペルシャ文化にボリウッドが混ざった感はあるが、色彩の鮮やかさや愉快な群舞など見どころは多いし、スタンダードとなった主題歌を思わず口ずさむ人は多いはず。エンタメ度の高い正当なディズニー調の作品で、見終わってG・リッチーの監督作と気づいたほど。アラジンのアクションにパルクールが入っていたが、リッチーらしさとは言い切れず。ファミリー向きの物語をそつなく作れる、非常に器用な監督と逆にリスペクト! お猿のアブーがめちゃ芸達者で、CG動物が活躍する『ライオンキング』への期待値が上昇。

  • エリカ38
    話題の事件の背景をドラマティックに妄想!
    ★★★★★

    38歳と年齢詐称し、20代の青年と同棲していた60代女性がタイで逮捕された事件は犯罪の内容よりも自称・エリカの佇まいに注目が集まった。衝撃の事件に着想した本作は、女の業や金の魔力といったキーワードをタグ付けしながら、女性が犯罪に手を染めるまでをドラマティックに創造する。詐欺の手口よりも、家族関係や「騙し」が前提の希薄な人間関係に比重を割いてエリカ像を形作っていく展開は魅力たっぷり。美貌と若見えを武器にしていたエリカを浅田美代子が熱演。セックスシーンに堂々と挑戦しているし、人生に疲れて年相応に見える瞬間まで鮮やかに演じていて、キャリアの長さは伊達じゃないなと感服。

  • 神と共に 第一章:罪と罰
    ゲーム感覚で地獄を脱出せよ?
    ★★★★★

    地獄に落ちてもいくつかの試練を乗り越えれば蘇り可能な人(貴人)がいるという前提で、派手なアクションと人間ドラマが進行するのが面白い。日本人の考える地獄とはちょっと異なる冥界像やレベルクリアしながら再生を目指す審判などコミックやゲームを取り入れた体裁がとても今っぽい。ハリウッドには及ばないものの特撮レベルはかなり高く、見応え十分。またキャストが豪華。世界的にも評価が高い演技派や大物、人気アイドルが次々と登場するからびっくり。予算潤沢なのが一目瞭然な大作だ。最後の最後に「おおっ」と期待させる人気者を登場させる展開は、続編込みの企画だからか。

  • イングランド・イズ・マイン モリッシー,はじまりの物語
    モリッシーって面倒臭い青年だったのかも
    ★★★★★

    「ザ・スミス」で労働階級のカリスマとなったモリッシー。文学好きな彼が作るねじれた歌詞や政治的コメントを聞くと、気難しい人を想像する。が、本作はデビュー前のモリッシーの意外な素顔を描く。根拠のないプライドを持ち、ほかのミュージシャンをディスり、他人と打ち解けない。会社には遅刻し、仕事をやる気ゼロ。殻に閉じこもったダメ青年だが、不思議と嫌な感じはしない。逆に応援したくなるのは、J・ロウデンの演技のおかげか。伝記映画の体裁をとったフィクションだし、モリッシー未公認なので彼の音楽も使用できず。ファンにとっては寂しい? でも挫折を繰り返した主人公の姿はきっと、将来が見えない若者に勇気を与えてくれるはず。

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