山縣みどり

山縣みどり

略歴: 雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況: 最近、役者名を誤表記する失敗が続き、猛省しています。配給会社様や読者様からの指摘を受けるまで気づかない不始末ぶりで、本当に申し訳ありません。

山縣みどり さんの映画短評

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  • ハンターキラー 潜航せよ
    水面下で続く冷戦が招く第3次大戦の危機にビビる?
    ★★★★★

    魚雷を避けたり、厚い氷の影に身を隠したり、音に反応する最新兵器をすり抜けたりと潜水艦バトルの最前線に身を置く気分が味わえる痛快アクションだ。水面下には危険がいっぱいとハラハラする緊迫感と閉塞感たっぷりな潜水艦映画(?)とはいえ、シールズが活躍する陸上のアクションも用意されているので閉所恐怖症でもOK。壮大なスケールの筋書きや怒鳴り散らすオスカー俳優G・オールドマンが二面性を感じさせたりもするけれど、Bムービー好きにはたまらないチープさ満載。叩き上げのアメリカ人艦長や部下から敬愛される古風なロシア人艦長といったカリカチュア化された軍人像などツッコミどころも多く、それさえも楽しめるのは間違いない。

  • Be With You ~いま、会いにゆきます
    わかっていてもウルウルしちゃいました
    ★★★★★

    ストーリーは織り込み済みだが、それでもキュンキュンしたり、ウルウルしたり。高校の同級生ウジンとスアが恋に落ちる場面や気持ちが通じあった瞬間の初々しさなどは、世界共通なりとニヤリ。キャラ設定や息子が母を待つ理由などは日本版より違和感がなく、コ・チャンソク演じる主人公ウジンの親友がすごくいい味を出している。また喜怒哀楽を自然に演じわけ、涙を誘う達者な演技を披露した子役ジファン君が素晴らしく、韓国映画界の人材の豊富さを実感。ベタなセリフも不自然に感じないし、ファンタジックなラブストーリーはやはり韓流のほうがしっくりくるのかも。

  • バイス
    D・チェイニーの人生はダーク・コメディである!
    ★★★★

    政治家D・チェイニーがいかにしてアメリカを危険にさらしてきたかを暴いているが、笑える演出がなされている異色作。「アメリカは強くなくてはならない」と信じ、湾岸戦争や世界同時多発テロ後のイラク戦争を主導し、ときには国賊的とも思える行動も取る政治家のモラルのなさに唖然。世界を混乱に陥れた罪は深く(今も続いているし!?)、笑いで済ますのは如何なものか?と監督に問いたくなる。怪人チェイニーを熱演したC・ベールもブッシュ役のS・ロックウェルも完璧な役作りで臨んでいて、アメリカの黒歴史の再現ドラマとして必見。とはいえ、政治が『サタデーナイト・ライブ』の逆パロディ化しているアメリカは大丈夫なのでしょうか? 

  • マックイーン:モードの反逆児
    天才を発掘するのは天才自身である
    ★★★★★

    デザイナー映画のなかでも突出してエキサイティングな作品。高校中退の太っちょ少年リーがいかにしてファッション界を席巻するデザイナーとなり、自ら命を絶ったのかにぐいぐい迫る。本人インタビューや彼をよく知る人々の証言でつまびらかにされる、マックイーンの知られざる側面は、ファッショニスタでなくても興味深いはず。奇抜ファッションで知られるインフルエンサー、イザベラ・ブロウは彼を見出した一人だが、ショーや作品の映像を見れば天才を発掘するのは天才自身であると納得するはず。METやV&Aで行われた回顧展に足を運べなかったファンにとっては、コレクション総まとめを目にできる貴重な機会となる。

  • コンジアム
    君子危うきに近寄らず、と教えたかった。
    ★★★★★

    『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』的な作品で、広告費がっぽりを目指したユーチューバーが主役という点が今どき。アクションカメラやドローンを使った配信映像などを交えた画面は、映えが重要な世代の心に響きそう。イェーイと曰く付きの廃墟病院に乗り込んだ若者の運命は推して知るべしで、彼らが味わう恐怖を横目に高みの見物を決め込める。とはいえ、怖がらせ方を熟知するチョン・ボムシク監督のジワジワと怖さを増す演出にはホラー好きも大満足のはず。いわゆる人気スターは出演していないけれど、等身大の若者感があるキャスティングがリアリティを醸し出す結果となった。終映後、「君子危うきに近寄らず」とつぶやいた。

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