山縣みどり

山縣みどり

略歴: 雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況: 最近、役者名を誤表記する失敗が続き、猛省しています。配給会社様や読者様からの指摘を受けるまで気づかない不始末ぶりで、本当に申し訳ありません。

山縣みどり さんの映画短評

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  • ビリーブ 未来への大逆転
    男女同権を勝ち取ってくれた諸先輩に感謝!
    ★★★★★

    実在するスーパーヒーローRBGことジャスティス・ギンズバーグの誕生を描く痛快作だ。ハーバード大教授が女性を“嬢ちゃん”扱いする時代なので、前半は頭に血が上るシーン多数。二等市民扱いに耐えながら戦うヒロインをF・ジョーンズが手堅く演じ、共感度大。後半の軸となる裁判は有名な案件なのでハラハラはしないが、男女平等が当然と考えさせるシーンをいくつも挟み込み、RBGが決意を新たにする過程をわかりやすく伝える演出もいい。男女同権を勝ち取った諸先輩に感謝する気持ちが湧く映画だ。とはいえ、日本では政治参画や企業の重役ポストにおける女性比率が圧倒的に低いわけで、「日本の夜明けは遠いぜよ」と思ったのも確か。

  • ダンボ
    オリジナル作品への愛情が感じられる実写化!
    ★★★★

    1時間弱のアニメをどのように実写化するのか? 仔象をどうやって飛ばすのか? 見る前から興味津々だったが、予想を超える愛らしい作品に仕上がっている。CGIで描いたダンボの可愛い仕草や青い瞳、細部までこだわった華麗な映像美はT・バートン監督なら当然とはいえ、それだけでウキウキさせてくれる。しかも動物愛護やアウトサイダーの悲しみ、親子愛、アンチ拝金主義といったテーマが盛り込まれていて、オリジナル作品をリスペクトしながらもさらなる深みを加えている。夢の国へのディスを許したディズニーの懐の深さに感心したが、バートン監督に是非『バンビ』実写化をお願いしたいところ! 子役ニコ・パーカーの将来が楽しみ。

  • ふたりの女王 メアリーとエリザベス
    女王には国と添い遂げる覚悟が必要なのですね
    ★★★★★

    未亡人となって故国に戻ったメアリーの「私こそイギリスとスコットランドの女王」との権利主張には、「はぁ?」となる。フランスかぶれの小娘に既得権を振りかざされてもね。しかし、あまっちょろい選択を続ける彼女が裏切りに翻弄される姿には思わず同情。男が支配する世界で女王として君臨するのは簡単じゃなく、力がものを言う状況で女性がサバイバルするには非情な決断も必要と実感する。社会で活躍する女性はナイーブなメアリーを反面教師にすべきというJ・ルーク監督の狙い? 信頼できる重臣や深謀遠慮を駆使し、男どもに手綱を握らせずに見事に立場を守りきったエリザベス1世の、国と添い遂げた覚悟を思い知りました。

  • バンブルビー
    自分探し中の人に見てほしいチャーミングな作品
    ★★★★★

    人気シリーズの最新版は、トランスフォーマーのオリジンと女の子の成長が描かれる。ロックと車の改造が好きなヒロインが家庭内でも学校でも疎外感を感じている設定は目新しくは無いが、バンブルビーと友情を培いながら自分を見つける展開はチャーミングで共感度大。『スウィート17モンスター』でも感じたが、H・スタインフェルドは“完璧とは程遠いJK”役が本当にお似合いだ。何かが欠けた者同士が補い合ってパワーを生むとわかるし、自分探し中の人は必見だ。舞台設定が1987年なのもいい。ヒロイン愛用のロックTシャツやザ・スミスなどの名曲、ウォークマンにVHSテープとノスタルジーを感じる(若い世代には新鮮?)。

  • ブラック・クランズマン
    スパイク・リーの円熟を味わえる大傑作
    ★★★★★

    白人至上主義者集団KKKのアホらしさをおちょくる展開にワクワクしっぱなし。バディ映画の態を取りつつ、アーリア人種優位を唱える人間を「これでもか」というくらいにバカにしたキャラ設定やブラックパワーの高まりを伝える時代感とスパイク・リー節フルストッロルだ! 10年前だったら多分、バリバリの社会派ドラマにしただろうが、ダーク・コメディに仕上げたあたりに監督の円熟味が感じられる。尖ったナイフの向け先をちょっと変えたのだ。大衆受けする手法で、監督が嫌悪するエージェント・オレンジの煽動で分断が進むアメリカに警鐘を鳴らしているのも素晴らしい。そしてスパイクといえばイカしたサントラで、今回も期待通り!

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