山縣みどり

山縣みどり

略歴: 雑誌編集者からフリーに転身。インタビューや映画評を中心にファッション&ゴシップまで幅広く執筆。

近況: 最近、役者名を誤表記する失敗が続き、猛省しています。配給会社様や読者様からの指摘を受けるまで気づかない不始末ぶりで、本当に申し訳ありません。

山縣みどり さんの映画短評

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  • キャプテン・マーベル
    無敵のヒーローは、女性のエンパワーメントの象徴!
    ★★★★★

    マーベル・コミック・ユニヴァース(MCU)もそろそろ世代交代の時期で、本作は新たなリーダーの誕生を思わせる。作家性の強いアートハウス作品で活躍していた演技派B・ラーソンの存在感が圧倒的だし、彼女がS・L・ジャクソン本来の魅力を存分に引き出した。ケミストリーの勝利! 脚本が弱いが、ヒロインが覚醒する後半は勢いを増す。時代を反映した作風で、「女のくせに」と言い続けられて反骨精神を鍛えたヒロイン、黒人のシングルマザーである親友、さらには主人公のメンターとなる女性科学者ととにかく女性陣が興味深い存在として描かれている。女性のエンパワーメントの象徴のような作品だ。

  • たちあがる女
    命を紡ぎ、つなぐのは大地と女性と実感
    ★★★★★

    環境保護というヘビーなテーマに女としての決断も絡んだ物語をおとぎ話風コメディに仕上げたB・エルリングソン監督の才気にしびれた。主人公ハットラが非常に魅力的で、ガンジーとマンデラ氏を尊敬しながらも武闘派に転じた心境に共感。子供たちの未来のためにも、今でしょ! 民族衣装の女性や楽隊が奏でる音楽で主人公の思いを伝える愉快な演出で和ませつつ、彼女の葛藤を掘り下げる展開にジンとなる。青みがかった氷河や苔むす大地、手付かずの温泉などなど、ヒロインが守らんとするアイスランドの自然を写し取った映像は圧巻。野性味のある美しい風景を見て、死ぬまでに一度は訪れてみたい土地の上位に躍り出た。

  • マイ・ブックショップ
    心の狭い人間と文学は相入れないということね
    ★★★★

    舞台がイギリスの漁村で、読み聞かせ的なナレーションが入るが、ほのぼのした物語にあらず。傲慢な金持ちと権威に弱い庶民の醜さを見せつけられて唖然。和やかな日常会話に潜む悪意が恐ろしい! 知らずに田舎町の住民を敵に回した女性店主フローレンスの毅然とした佇まいが際立つし、演じるE・モーティマーの素朴な美がキャラに見事にハマった。文学老人役のビル・ナイとの相性も素晴らしく、二人のシーンは本当に美しい。変化を恐れる狭量な保守派と進歩的なリベラルの戦いと見ることもできるが、単純に本を愛することと信念を曲げないことの大切さを伝えたかったのだろう。クラシカルな衣装とおしゃまな子役がいい味出している。

  • ウトヤ島、7月22日
    見えないテロ犯の姿に怯えっぱなしの72分間
    ★★★★★

    2011年にノルウェーで起きた極右青年による銃乱射事件の全容がわかり、当事者の恐怖がびんびんに伝わってくる快作。夏のキャンプを楽しむ若者たちがいきなり銃撃され、パニックに陥り、必死に逃げ惑う様子が事件と同様の72分ノーカットで映し出され、見る側にも緊張感が走る作りだ。何が怖いって、犯人がどこに潜んでいるのかわからないこと。映画を見ながら、妹を必死で探す主人公カヤの視点と同化する自分に気づき、画面に必死に目を凝らしてしまった。極限化で他人に思いやりを示せる人間の姿にホッとしたり、「そっちはダメ」と声に出さずに叫んだり、とにかく心がざわめいた。

  • イップ・マン外伝 マスターZ
    激しくもしなやかなアクションに目が釘付け
    ★★★★

    人気シリーズの最新作の主役はドニー・イェンではなく、注目度上昇中のマックス・チャン! 詠春拳の正当性を巡る対決でイップ・マンに敗れた張天志役でも抜群の身体能力を披露した彼がまたまた、激しくもしなやかなカンフーで魅了してくれる。物語は定番だが、一度は捨てた武術を今度は正義の戦いのために使う張天志と息子の父子愛などグッとくるポイントも多い。またミシェル・ヨー姐さんが久々にアクション演技に復活していて、50代半ばとは思えない美技でスクリーンを支配する。スピードもキレもデビュー時から少しも衰えてない、奇跡の女優だ。アクション監督も監督もユエン・ウーピンだし、とにかくカンフー技が堪能できる。

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