略歴: アクションとスリラーが大好物のフリーライター。『DVD&ブルーレイでーた』『SCREEN』『Audition』『SPA!』等の雑誌や、ネット媒体、劇場パンフレット等でお仕事中。
近況: 『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』『探偵マーロウ』『ドラキュラ/デメテル号最期の航海』他の劇場パンフレットに寄稿。「シネマスクエア」誌にて、正門良規さんに映画とその音楽について話を聞く連載を開始。
名脚本家、笠原和夫のインタビュー本「昭和の劇」によると、昭和39年に書かれた『十一人の賊軍』のオリジナル脚本は350ページもあったとか。それが残っておらず、本作は白石監督が現存する16ページのプロットから発想を広げていったという。
明治初期版『スーサイド・スクワッド』!?と思って見始めると、話はどんどん熱を帯びてくる。死刑囚たちの各々の死生観が戦場でのギリギリの生き様に反映された格好だ。
とりわけ山田孝之ふんする主人公のキャラは強烈。逃げることばかり考えていて、なかなか戦わないが、その気持ちの変化が面白い。とにかく生き続けること、どう生きるかを考えること、その意味を問う熱血作。
マーベル作品の中で独自のオフビート路線を歩んできたシリーズが本作で一応の完結。最後まで『ヴェノム』らしくて、嬉しくなる。
主人公エディとヴェノムのユーモアにあふれた二人三脚はそのままに、地球の危機的状況を拡張。エリア51を舞台に据えたSF設定の妙に加え、どこかのどかな砂漠の風景もコンビの空気感にマッチ。もちろん、VFXの豪快描写も見どころだ。
シンビオートが寄生する人間キャラが増えたことで、アクションの見せ場も増加。ヴェノム以上にかっこいいキャラの存在も気になり、これで終わるのは惜しい気もする。スピンオフ展開に期待したい。
韓国のエンタメ大作にはこのところMCU風の展開がしばしば見受けられるが、悪霊バスターズ的な本作もそんな風格が漂う。
巫女と弟子、風水師と葬儀師の4人がスクラムを組み、墓から甦った悪霊と立ち向かう物語。墓の下になぜか墓があるなどのミステリーを、韓国の土着の風習に根差しながら解き明かしていく物語の組み立てが巧い。
ベテラン、チェ・ミンシクとユ・ヘジンの安定の好演もさることながら、キム・ゴウン&イ・ドヒョンの若手にも魅了され、とりわけ『哭声/コクソン』ばりの儀式シーンの大熱演に目を見張った。本国で今年最大のヒットを飛ばしたこともあり、続編にも期待したくなる。
『プー あくまのくまさん』のプロデューサーが仕かけた童話ホラーとなれば、血まみれのシンデレラが誕生するのは必然的。
継母や姉たちが意地悪なのは童話のとおりだが、頼りになるはずの王子はそれ以上にゲス野郎で、ヒロインに味方はいない。とにかく、シンデレラは落ちるところまで落とされる。
孤立無援のヒロインがどのようにブレイクスルーするかは見てのお楽しみだが、舞踏会が大炎上するクライマックスはとにかく痛快。ホラー好きなら『キャリー』のクライマックスを思い浮かべるに違いない。グリム童話の原作に則った足の指の切断シーンも、この設定では説得力をおびる。
シリーズ10作目にして初めて、殺人鬼ジグソウの視点で描かれるドラマという点に、ファンとしては注目すべきだろう。
これまでデスゲームの仕掛け人として暗躍していたジグソウを主人公に据えたのは、その人間像や哲学に深く迫るということでもあり、そこに共感を生じさせるドラマが生じる。一方、過去のシリーズでは主人公だった、ゲームを仕かけられる側が成敗される立場に。勧善懲悪ならぬ“勧悪懲悪”と言うべきか。
ジグソウの動機がはっきりしている分、観客も彼を応援したくなる奇抜な構造。『ソウ』全作に関わってきたグルタート監督でなければ、この発想の転換は生まれえなかっただろう。シリーズ随一の高評価も納得。
『ボヘミアン・ラプソディ』などのラミ・マレック主演・製作によるアクションサスペンス。殺しのスキルを持たないCIAの分析官が、妻の命を奪ったテロ組織にたった一人で復讐(ふくしゅう)する。
小説「赤々煉恋」などで知られる作家・朱川湊人の直木賞受賞作を映画化。両親を早くに亡くし、二人きりで生きてきた兄妹の不思議な体験を描く。
恋や仕事に奮闘する独身女性の日常を描いたラブコメディー『ブリジット・ジョーンズの日記』シリーズの第4弾。
芥川賞作家・吉田修一が歌舞伎の世界を舞台に書き上げた小説を映画化。任侠(にんきょう)の家に生まれるも、数奇な運命によって歌舞伎界に飛び込んだ男が芸に身をささげ、歌舞伎役者としての才能を開花させていく。
家族を殺した鬼と戦う少年の活躍を描いた吾峠呼世晴のコミックを原作とするアニメシリーズの第1弾「鬼滅の刃 竈門炭治郎 立志編」の特別編集版。
青山剛昌の漫画を原作にしたアニメシリーズで、長野県の雪山をめぐる事件を描いた劇場版シリーズ第28弾。江戸川コナンと長野県警の隻眼の警部・大和敢助、毛利小五郎らが事件に挑む。
森沢明夫の小説「おいしくて泣くとき」を実写化したドラマ。ある男性が自分のもとから失踪した少女の秘密を知る。メガホンを取るのは『こん、こん。』などの横尾初喜。
『バッド・デイ・ドライブ』などのリーアム・ニーソンが主演を務めるアクション。殺し屋の過去を隠して暮らす男が、ある少女を虐待から救ったことをきっかけにアイルランド共和軍の過激派グループと戦うことになる。