貧しい家庭で育ちコンプレックスがいっぱい
機械で出来た世界に住むロボットのロドニーは、皿洗い機ロボットの父親と優しい母親の愛情に包まれた、あたたかい家庭で育った男の子。貧しい家庭環境のために体の部品はすべておさがりの中古品ばかり。幼いころからそのことをコンプレックスに感じていたが、偉大な発明家ビッグウェルド博士の「どんなロボットでも輝くことができる!」という言葉を聞き、一念発起。ビッグウェルド博士が社長を務めるビッグウェルド・インダストリーズ社のある“ロボット・シティ”へと旅立った。
そして、旅立ち
中古部品だらけの自分でも、何か大きなことを成し遂げることができるはずだと考えたロドニーは、自分で作った発明品を手に、ビッグウェルド博士がいるビッグウェルド・インダストリーズ社を訪ねた。だがそこにビッグウェルド博士はおらず、かわりに最新式の部品を売って金儲けをすることしか頭にないラチェットにけんもほろろに追い返されてしまう。
ラチェットの悪だくみ
ラチェットとその母・マダム・ガスケットは、自社製のアップグレード商品を買わない中古ロボットをすべてスクラップしようとたくらんでいた。その計画を知ったロドニーは、ラチェットの部下だがその経営方針に疑問を抱くキャピィーと、ロドニーと同じように中古部品でできたフェンダーらと力を合わせ、陰謀を打破する計画を立てる。
やわらかな日差しをも映像化
最近の観客はCGを使用した映画に慣れてしまい、フルCGアニメと言っても驚かなくなってきた。しかし『ロボッツ』は今までのフルCGアニメとは一味違い、目を見張る映像美に驚かされる。それもそのはず、監督のクリス・ウェッジは“光”を表現する天才として有名で、本作でも柔らかな日差しを映像化することに成功し、まるで夢の中にいるような美しい映像を堪能できる。
同じデザインのロボットはない
さらに監督はロボットだけが住む世界を舞台にするというユニークな発想を前面に打ち出し、数え切れないほどのロボットが登場しても1体として同じデザインのロボットが見当たらないほど細部にまでこだわりを見せた。そのほかにもロボットの出産方法や生活事情などひねりの効いたアイデアがふんだんに盛り込まれ、何度見ても飽きることがないように仕上がっている。
豪華声優陣
もう1つの見どころは何と言っても豪華声優陣だ。アニメではハリウッドスターを声優として起用するのが慣例で、主役のロドニーを担当するのは『スター・ウォーズ』シリーズや『ムーラン・ルージュ』など幅広いジャンルで活躍しているユアン・マクレガー。相手役は『チョコレート』でオスカー女優の仲間入りを果たしたハル・ベリーが務める。そしてお調子者のフェンダーは、コメディアン出身のロビン・ウィリアムズが担当し絶妙な笑いと自慢の美声を披露している。
日本語吹き替え版も豪華
そして日本語吹替え版という日本でのみ楽しめる方法もある。こちらもハリウッドに負けず劣らず豪華な俳優陣が担当しており、主役のロドニーはスマップの草なぎ剛が担当し、若手人気ナンバーワン女優の矢田亜希子が相手役を務める。テレビドラマで共演したことがある2人だけに、息のあった掛け合いが笑いを誘う。そして日本映画界を代表する大ベテランの西田敏行も声優に挑戦し、偉大なロボット役をコミカルかつ威厳たっぷりに熱演している。