何をやってもサエない、バツイチ男のラリー(失業中)は、一念発起し、定職を探すことに。しかし、会社勤めをしたことのないラリーが、すぐ仕事にありつけるほど世の中は甘くなかった。そんな彼が運良くゲットしたのは、自然史博物館の夜間警備員。早速、たった1人で誰もいない夜の博物館を見回るラリー。そんな彼の目に、信じられない光景が!そこら中を歩き回り、問題を起こす展示物たち。ラリーはどうやって、彼らに立ち向かうのでしょうか?
勤務初日。見回りを始めたラリーは、入口ホールの中央で、ある異変に気付いた。なんと、昼間はあったはずのティラノサウルスの骨格模型がすっかり消えてなくなっていたのだ。すると、誰もいないはずの廊下で、水の音が……。なんとそこには、行方不明だったティラノサウルスが給水機で水をゴクゴク飲んでいるではありませんか! 状況が理解できず、ポカーンと立ちすくむラリー。次の瞬間、ティラノサウルスが猛スピードで追いかけてきた。その夜は何とか逃げ切ったラリーだが、毎晩、これじゃあ体がもたない! と、よーくティラノサウルスを観察してみると、実は、ティラノサウルスが純粋に追いかけっこが好きだったことが判明! 試しに、骨の模型を1本遠くへ投げてみると、ティラノサウルスはうれしそうに追いかけていく。まるでペットの犬のように優しく接してあげることで、ラリーは巨大恐竜を手なずけることに成功したのだ。
夜明けには、まだまだ時間がありそうだ。博物館の奥では、誰かが「うっほうっほ」と言葉にならない声をあげていた。ネアンデルタール人たちだ。類人猿である彼らは、最初に火を起こすことに成功したことで知られている。けれど、展示中のネアンデルタール人は、まだ発展途上のようで、寒い洞窟の中で、必死に火打石をたたいていた。同じホモ・サピエンスの“後輩”であるラリーは、何とか彼らの手助けをしてあげたい(っというか、どうにか黙らせたい)が、言葉の壁はなかなか越えることができない。そんなラリーが突然ひらめき、彼らに手渡したのが文明の利器であるライターだった。慣れない手つきで、ライターをいじるネアンデルタール人たち。やがて、ライターに火がつくと大喜びしてくれた……ところが、その火が展示スペースに燃え移り、今度は火事のピンチに! 警備員ラリーの奮闘に終わりはあるのか!?
次から次へと巻き起こるトラブルに振り回されるラリー。そんな彼の前に、今度は、中央アジアで大暴れした遊牧騎馬民族・フン族たちが現れた。理由は分からないが、常に何かに怒っているフン族。血の気が多く、捕まえた敵は、八つ裂きにしてしまうという彼らに、ラリーもビビリまくりだ。ところが、図書館でフン族の歴史を勉強したラリーは、ちょっと意外な事実を知った。なんと、彼らは、古くから奇術(マジック)が大好きだったという。そしたら、これしかないでしょう! 「警備員のオレがなんで、マジックの練習を?」という疑問を押し殺し、必死に練習するラリーは、一夜漬けで簡単なマジックを覚えた。得意げにマジックを披露するラリーに、フン族たちも人が変わったようにニコニコしている。しかし、手なずけ成功と思った瞬間、マジックのタネがばれてしまい、またまた、フン族は怒り出してしまった。追いつめられたラリーの次の一手は?
自然史博物館には、たくさんの野生動物も展示されている。ってことは、動物の剥製(はくせい)たちも動き出しているんだろうか……イヤな予感は的中。館内では、ゾウが巨体を揺らしながら、夜の散歩を楽しみ、ダチョウが駆けまわり、人食いライオンが獲物(=ラリー)を狙っていた。思わず「アフリカかっ!」とツッコミたくなるあり様に、困り果てるラリー。中でもやっかいなのが、デクスターと名付けられたノドジロオマキザル。とにかく、すばしっこくて、頭がいいデクスターに、鍵束と警備マニュアルを奪われ、鼻をガブリとかまれてしまったラリー。次の夜、鍵束をニセモノにすり替えて、対抗。おもちゃの鍵束をつかまされたデクスターは、すっかりプライドを傷つけられてしまう。これでラリーも最強知能の持ち主“ヒト”としての威厳を保ったかに思われたが……。今度はデクスターがラリーに“ビンタ攻撃”を仕掛けてきた。ヒト vs サルの激しいビンタ合戦は、なかなか決着がつかないのだった。
この博物館のイチオシ展示物は、たくさんのミニチュアを使って歴史のワンシーンを再現した巨大ジオラマだ。アメリカ鉄道史を再現するジオラマでは、西部の開拓者たちが鉄道を開通させようとせっせと働いている。体はミニチュアサイズでも、肝っ玉はでっかい彼らは、突然現れた“巨人”のラリーをまるでガリバーのように、地面に縛り付けてしまう。一方、隣の展示スペースでは、古代ローマ帝国の兵士たちが領地を広げるため、壁を壊そうとしていた。これには、西部開拓時代のカウボーイも怒り爆発! ついに時空を越えた両者の戦いが始まった。もちろん、こんな事態に一番頭を抱えるのは、警備員のラリーだ。早速、双方のリーダーを呼び出して、自由のために戦う彼らに、夜だけジオラマから出して“自由を与える”と話すラリー。その代わり“仲良くすること”を約束させるのだが……。意地っ張りな二人は、その約束を守れるのだろうか? 果たして、ラリーは、戦争を回避し、博物館に平和をもたらすことができるのか?
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