少林サッカー (2001):映画短評
少林サッカー (2001)「アナ雪」よりも前に「ありのままで」
CGにリアルさを求める作品が多い中、とことん虚構を追求してロマンと笑いを生み出した喜劇王・周星馳の面目躍如たる笑撃作。この貫かれたバカバカしさを超える作品はなかなか表れず、今見ても新鮮。加えて万人に愛される作品となったのは、香港娯楽映画の衰退が叫ばれていた当時、その伝統を香港映画の代名詞とも言える少林寺での復活を試みた周星馳の香港愛と、落ちこぼれにスポットをあてて、彼らにありのままで生きることを説いた深い人間愛があるから。思えばクセ強めのバラエティーに富むキャラクターで、ダイバーシティを教えてくれたのも香港映画だった。いつの時代も娯楽映画は庶民の味方。心が弱っている時の何よりの特効薬である。
この短評にはネタバレを含んでいます